スマホで動画・音声コンテンツを学ぶ「最もタイパの良い」方法とは?【スタンフォード博士が解説】写真はイメージです Photo:PIXTA

年がら年中スマホをいじってばかりの子どもを見て、「将来、頭カラッポのバカになったらどうしよう」と嘆いているご家庭は少なくない。ところが、米スタンフォード大学で博士号を取得した筆者によれば、「見る」「聞く」「読む」をサポートするスマホは、最強の情報インプットツールなのだという。本稿は、星 友啓『脳を活かすスマホ術――スタンフォード哲学博士が教える知的活用法』(朝日新書)の一部を抜粋・編集したものです。

理解度を変えずに「速聴」できる
再生速度は1.5倍まで

 人間が「読む」より先に持っていた「聞く」という能力について考えてみましょう。

「読む」のは通常の「聞く」よりも倍くらい速いわけですが、聞くこと自体の速度を上げて、インプットの能力を上げることはできないものでしょうか。

 このような「速聴」についても、これまでさまざまな研究結果が出されています。それらをぎゅっと濃縮すると、

「1.5倍速を超えたあたりから、理解度が落ちる」

 と言うことができます。研究によっては、条件次第で2倍速でも理解度が落ちないという結果もありますが、多くの場合で、1.5倍くらいまでは理解度を変えずに「速聴」できることが明らかにされています。

「速聴」については、デジタルICレコーダーやスマホが登場する以前、すなわちカセットテープの時代から、かなり多くの研究がなされてきました。

 ただ当時は、「早送りをどう実現するか」という根本的な課題があった。普通に喋っているものを速くするには、どこかで音声データを削って、短くしなければいけません。しかし、削るところを間違ってしまっては、そもそもの内容がわからなくなってしまう。

 今現在のように、すべてのデータ比率を揃えて圧縮することができなかったのです。

 内容を把握しながら音声を倍速で聞く。それが可能になった今では、「どれくらいの速度まで早送りしていいか」は、皆の知りたいところとなりました。

 スマホ時代の現代では、見つけた音声や動画のコンテンツを早送りで聞くのがたやすくなりました。そんな中で、ニュースや情報をなるべく効率的にゲットしたいのは、社会人ばかりでなく、スマホで勉強する中学生、高校生、大学生も同様です。

 そのために速聴は「だいたい1.5倍速まで」。スマホで音声コンテンツに触れる時には、ぜひ覚えておきたい数字です。

 ただ、すべてにおいて1.5倍が良いのかというと、そうではありません。

 例えば、自分にとって新しい分野だったり、苦手な分野だったりすると、とっつきにくい感覚があります。そういう場合には、1.5倍よりも遅くしないと理解度が下がりやすい。1.25倍や普通のスピードの方が良いでしょう。

 一方で、それなりに知っている得意分野などであれば、2倍にしても理解度は下がらないかもしれません。自分がその分野にどれほど慣れ親しんでいるかで調節していくことが、聴力の効果的な理解につながります。