短期的な利益予想に左右されない
長期的な投資こそが大きな実りをもたらす

 コカ・コーラの株式公開は1919年、初値は40ドルでした。ところが、コーラの原料となる砂糖の価格が高騰したため、株価は翌年、19ドルに暴落してしまいました。しかし、それにもめげずにコカ・コーラ株を持ち続けた投資家は、その後笑いが止まらなくなりました。この間、砂糖価格のみならず、恐慌や戦争など数えきれないほどの変化や変動があったにもかかわらず、コカ・コーラ株は大きく値上がりしたからです。

「要するに、大事なのは商品そのものが長期間持ちこたえられるかどうかを考えることです。その銘柄を買うべきか売るべきかを延々と考えるよりも、そちらのほうがはるかに実りが大きいとは思いませんか」
(93ページ)

「私たちが大量保有している銘柄の大半は、この先何年も保有するつもりです。そしてその間の私たちの運用成績は、特定の日の株価ではなく、それらの企業の業績によって決まることになります。企業を丸ごと買収するときに、短期的な業績見通しだけに着目することがばかげているように、短期的な利益予想に惚れ込んで株式を買うのは不健全だと思います。市場で売買されている株式は、その企業の一部だからです」

(109~110ページ)

日々の株価に右往左往しない!<br />世界一の投資家が莫大な資産を生み出した流儀<br />ロバート・G・ハグストローム著/三浦淳雄、小野一郎訳『株で富を築く バフェットの法則』
 2005年9月刊行。バフェットの投資手法から、じっくり資産を育てる成功則を学ぶ一冊。

『株で富を築く バフェットの法則[新版]』によると、彼が売却しないと決めている銘柄が4つあります。コカ・コーラ、ワシントン・ポスト、保険業のGEIC、そしてメディア会社のキャピタル・シティーズ/ABCです。これらの銘柄にはバフェットが認める特性があり、同書において詳細に分析しています。

 バフェット式投資の要諦とは、誠実で有能な経営陣が率いる優れた企業を探し出し、その企業の株式を割安価格で購入し、そして長期間あるいは永久に保有する――詰まるところ、そういうことです。

 

 


◇今回の書籍 6/100冊目
『[新版]バフェットの投資原則』

日々の株価に右往左往しない!<br />世界一の投資家が莫大な資産を生み出した流儀<br />

わずか1万ドルの元手から620億ドルを超える資産を築いたバフェット。その経歴を見れば、誰もがその成功の秘密を知りたいと思うだろう。本書は、この世界最高の投資家が株式投資やビジネス、人生について語った言葉を集めたもの。達人の言葉から学ぶ成功する投資の作法。

ジャネット・ロウ著 平野誠一訳
定価(税込)1,680円

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