3月1日時点の内定取得状況の詳細を見ると、内定取得をしている大学生の内定取得企業数の平均は1.96社で、前年同時期の1.59社に比べて増加しています。さらに、2社以上内定を取得した大学生の割合は48.2%でした。前年同時期より12.4ポイント増加しており、内定取得者のうち半数近くが複数内定を取得していることが分かります。

24卒以上に企業の採用意欲が高まっていることが、この内定率の高さに表れていると言えるでしょう。

就職内定率を押し上げる
選考プロセスの早期化

 就職内定率の高まりには、選考プロセス自体の早期化も大きく影響しているようです。
『就職白書2024』で行った24年卒採用を行った企業への振り返り調査では、内々定・内定出しの開始時期が早まっている傾向が読み取れます。

 24年卒採用の内々定・内定出し開始時期を「卒業年次前年2月までの累計」で見たところ、23年卒から6.6ポイント増えた18.6%となりました。「卒業年次5月までの累計」は76.1%で、前年から7.3ポイント増えていることから、23年卒より早期に内々定・内定出しを開始した様子がわかります。

 選考プロセスごとに、面接(対面)開始時期で「卒業年次前年2月までの累計」を見ると、26.0%で前年より8.9ポイント増、面接(Web)では35.3%で、同じく前年より9.6ポイント増という結果になっています。

 25年卒の採用見通しを聞いた調査では、企業の選考プロセスの早期化傾向がさらに進んでいく様子がうかがえます。採用実施または実施予定企業に、内々定・内定出し開始時期を聞いたところ、「卒業年次前年2月までの累計」は31.7%に。24年卒実績の18.9%よりも高くなっています。

 選考プロセス別に、面接(対面)の「卒業年次前年2月までの累計」を見ると39.4%となり、24年卒実績の26.4%よりも13ポイントと大きく伸びています。面接(Web)も、24年卒実績の36.2%から13.6ポイント高い49.8%と、いずれも、優秀な人材の獲得に向けて「選考タイミングを早めたい」というという企業の意向がうかがえます。