投資と見なさずに購入することも多い、フェラーリやポルシェなどの高級車。抜け目ない富裕層は、人気の高い車種を確保し、中古車市場で数百万円の利益を稼ぐことも珍しくないという。特集『富裕層がこっそり教える 狙い目&穴場 運用術』(全16回)の#6では、サラリーマンにも手を出せそうな国産車の具体名と併せ、「高級車投資」の今を大解剖する。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
「とにかく早く」が鍵!
転売で数百万円の利益も
「新車が発表されたら、なるべく早い段階で予約注文を入れるのが最大のポイントです」──。輸入車専門の中古車販売店、K’s JAPAN(ケーズジャパン)の都野田和義店長は、高級車を新車で買った後、中古車市場で利益を出すためのこつについて、そのように話す。
再販した車の価格にプレミアムが上乗せされるには、供給が限定的な人気の高いブランドやモデルであるのに加え、市場にあまり出回っていないうちに売り出した方が、希少性が高まるからだという。世界中にコアなファンの多い高級車なら、新車時の価格を大きく上回ってでも、早く手に入れたいと考える富裕層の需要は強いのだ。
とはいえ、買い取り額を高めるためには、幾つか押さえるべきポイントがある。端的に言えば、人気の高い車を選ぶのに加え、売り方にも気を付けることだ。
まず、どの車を選ぶべきか。都野田氏が「王道」に挙げるブランドは、イタリアの高級車メーカー、フェラーリだ。こちらを含め、三大有名スーパーカーのランボルギーニ、ポルシェも、車種にもよるが、新型モデルをすぐ中古車として売りに出すと、プレミアムが上乗せされる可能性が高いという。実際、下図の通り、抜け目ない富裕層はこれらのブランドに注目し、日本で販売が伸びてきた。
フェラーリについては、エンジンの種類がV型8気筒とV型12気筒に大別できる。都野田氏によれば、人気が高くプレミアムが付きやすいのは、V8だ。実は、中古車の買い取り額を高めるためには、新車購入時のオプションの付け方も重要となる。オプションによっては、さらにコアなファンにとっての希少性が増し、付けた額以上に買い取り額の上乗せが見込めるからだ。
次ページでは、その具体例を示すとともに、高級車投資におけるフェラーリ特有のリスクや、もっと価格を抑えた「狙い目」の車種の具体名を明らかに。新車価格が1000万円を切る複数の国産車も挙げており、これらはサラリーマンでも十分手を伸ばせると言えるだろう。さらに、査定時の買い取り額を高めるための注意点なども解説していく。