「意味がわからなかった。頭が真っ白になりました。スマホで調べたら全く的中していなかったんです。あの時見せられたレースの結果表は嘘だったと気づきました」

 警察に相談したが今でも犯人は捕まっていないという。

「おいしい話なんて、この世にはないんですよね。今回は肌身で勉強しました」

 実はこのようなケースが増えているという。

 当たり馬券を譲ると偽り、2万円を騙し取ったとして、大阪府曽根崎署は2009年9月、兵庫県在住の当時64歳の男性を詐欺容疑で逮捕した。一連の報道によれば、男性は同年5月の午後5時15分ごろ、大阪市北区の路上で、当時19歳の専門学校の男子生徒に「当たり馬券を換金したいので場外馬券場を教えて」と声をかけたという。男子生徒が案内したところ、馬券場は閉まっており、男性は「7万円ぐらい当たっている。すぐに金がいるので、馬券をあげるから金をくれ」と男子生徒に要求。馬券と、その馬券が当たっているように細工したスポーツ紙のレース結果欄のコピーを提示し、2万円をだまし取った。

 同区内では08年ごろから、同様の被害が4件あったという。

払い戻しの際に気付く

「最近、駅・駐車場など場外で『偽造馬券を払い戻す時間がない』など、言葉巧みにもちかけられ、信用して購入し、払い戻しの際に偽造馬券と気付く被害が発生しています。ご注意ください」

 岐阜県にある笠松競馬場では、このように警鐘を鳴らすアナウンスが放送されている。

 笠松競馬場の担当者は「十数年前から同様のアナウンスを行っている」と話す。