既存の戸建やマンションは、断熱性能を上げるリフォームによって快適に過ごすことができる。中古マンションなら、断熱リフォームを120万円ほどで行うことが可能だ。具体的には、補助金と減税を最大限に組み合わせれば、8割以上キャッシュが戻ってきて、残りは光熱費の削減で数年のうちに回収できる見通しとなる。この方法はやや複雑なので、別の機会に詳しく説明しよう。それだけ、国や自治体も室内環境の改善を後押ししているのである。

 ただし、戸建にも性能が高いものがある。たとえば、住宅性能評価という基準で断熱性能が5の物件は、UA値0.6をクリアしており、これまでのマンションより断熱性能で優れていることになる。分譲戸建最大手の飯田グループの東栄住宅はこれを必ず取得しているため、一定の品質が担保されていると言える。

 また、注文戸建では断熱性能がさらに高いものがあり、UA値で0.2台を標準仕様にしているハウスメーカーもある。ここまでいくと、断熱では最高等級となる。マンションと比較して暖房費は3分の1で済む計算となるので、マンションよりもはるかに優秀ということになる。このように、戸建の中でも断熱性能はピンキリと言えるが、「ピン」の注文戸建ならマンションの住民を上回る平均寿命90歳超えの可能性が出てくる。

高性能な断熱性の実現を
安上がりにできる可能性

 こうした高性能な断熱装備にはお金がかかると思われるかもしれないが、標準仕様で作っているメーカーを選べば、月1万円程度の差しかない。断熱効果はそれ以上の金銭的な価値もある。高断熱住宅は省エネなので光熱費が下がり、エアコンなどの設備をあまり使わないので機器の交換頻度も少なく、結果的にランニングコストの節約で元が取れるのだ。

 断熱の原資としては、減税制度も活用できる。住宅ローン控除の枠が拡大されて、所得税の還付金が増える。また、こうした「質の高い住宅」は自宅取得に限定した贈与の特例の金額枠が500万円増える。贈与税85万円が免除されるのだ。

 もう1つ原資がある。家を購入する際に多くの人は住宅ローンを借りると思うが、それには団体信用生命保険(団信)という生命保険が付いてくる。団信とは、ローンの返済者が亡くなると返済義務がなくなる生命保険である。家を購入する際に、他の無駄な生命保険を解約してもいい。