「テレビで見る芸人さんみたいにウィットに富んだ話をしなくちゃ」

と自分とはまったく違う人を目指して余計にプレッシャーを感じるのです。

 しかし、話すことが得意でない人は、話し方のスキルに頼る必要はありません。

 そんなことをしなくても、自分が手に入れたい結果が得られればいいわけです。

 無理に話し方を克服しなくても、他にできる工夫がたくさんあるということです。

 コミュニケーションを円滑にするのに、話し方や話す内容だけに頼る必要はありません。

アドリブは必要ない
準備することが大切

 まず、目指さなくていい高レベルのスキルが「アドリブ」です。

 そもそも、話し上手な人も、すべてアドリブではありません。

 新入社員の時、私は部署のあるイベントで幹事をしていました。

 そのイベントの最後で、部長に締めのあいさつをお願いしました。

 すると、部長は「えっ!?」と驚いた顔をしました。そして、「聞いてないよ~」と言いながら前に出てきました。

 伝達ミスで誰も事前にお願いしていなかったのですが、私はそれでも「部長は話がうまいから大丈夫」だと思っていました。

 ところが、部長の締めのあいさつは、いつになくしどろもどろでした。

 それを見て、ようやく気づきました。部長はいつも、きちんとスピーチの準備をしていたのだと!

 他にも、飲み会やパーティで盛り上げるのがうまい人の話も、アドリブに見えてそうでもないことが多いのです。

口べたフリーランスが
仕事を取れるわけは?

 友人に、話さなくても営業成績が抜群の人がいます。

 その彼の秘密は、商品やサービスの「説明資料」を事細かに用意することです。

 よく聞かれる質問はたいてい決まっていますから、あらかじめ1枚モノの資料にしておいて、口頭で説明しなくて良いようにしています。

 また、口べたのフリーランスなのに、交流会に行くたびに仕事が取れる人もいます。

 彼の場合は、名刺にみっちり仕事の情報を書いています。

 名刺交換した相手が興味を持って質問してきたら、名刺を指さしながら話せるので、トークに頼らなくて良くなります。

 また、後日名刺を見た時に思い出すし、WEBサイトにも事例などの情報をしっかり掲載しているため、あとから問い合わせが来ることも多いそうです。