元消防士が株式投資で築いた資産は、なんと8億円! 三重県在住の専業投資家・かんち。49歳で早期退職してからというもの、生活費のすべてを株の配当金でまかなっている。その配当金の総額は、なんと年間2000万円超え。高配当株と株主優待株を組み合わせた「買ったらほとんど売らない」という手間のかからない“ほったらかし投資術”は、初心者の新NISAにも参考になる。「その投資術を知りたい!」と、長年著作の刊行を期待されていたものの、すべて断ってきた投資歴40年のベテランが、初めて著した話題の書『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。

【資産8億円の元消防士が明かす】資産半減、配当急減…資産3億円を超えて襲われた大災難・ワースト1Photo: Adobe Stock

早期退職を
考え始めたキッカケ

私は出世欲がなく、どれだけ周りにススメられても昇進試験は受けませんでした。

昇進したところで、仕事が忙しくなるばかりで、給料はたいして上がらないからです。結局は49歳のとき、早期退職することにしました。

「辞めようかな」と思い始めたきっかけは、資産2億円を超えたこと。

配当利回りが平均4%くらいだったので、配当金だけで年800万円ほどを得られる状態になっていました。

いったんは
資産3億円超に

これなら配当利回りが多少下がっても、さほど生活レベルを落とすことなく暮らしていけると思ったのです。

ただ実のところ、消防署の居心地がよかったので、資産2億円を超えてからも、なんとなく惰性で仕事を続けていました。

その間も株式資産は順調に増え続け、みずほフィナンシャルグループ株の恩恵にあずかり、資産3億円超にまで増えたのです。

資産が半減
配当も急減

資産2億円を超えたあたりから「いつ退職してもいい」とは思いつつ、消防署の居心地のよさを味わっていたわけですが、物事はそうはうまく進まないものです。

順調に資産が増えていた2008年、あのリーマン・ショックの激震に襲われました。

3億円あった資産は一気に半減。業績悪化で各社の減配が続いて、年1000万円ほどになっていた配当金も、がくんと急減したのです。

毎日年収以上の評価損
さすがに気が滅入る……

私は株価が乱高下しても、そこまで気持ちが乱れることはありませんが、あのリーマン・ショックのときばかりは、さすがに気分が落ち込みました。

仕事をしていても、毎日毎日自分の年収以上に評価損が膨らんでいくのですから、そりゃあ気が滅入ります……。

いま振り返ってみれば、いずれ株価が持ち直すだろうことは想定できても、あの最中は五里霧中で先行きがどうなるかなんて、考えられたものではなかったですから。

どん底を味わった
リーマン・ショックを解説

ご存じの方も多いと思いますが、リーマン・ショックについて簡単に補足しておくと、米投資銀行「リーマン・ブラザーズ」の経営破綻に端を発した世界的な株価大暴落です。

当時の米国は住宅バブルが起こっており、所得が低くて信用度が低い人でも住宅ローンを組むことができる「サブプライムローン」を発行していました。

リーマン・ブラザーズは、この債権を証券化した「サブプライム証券」を売っていたのです。

バブル崩壊後の
最安値を更新

しかし、バブルはいつまでも続くわけではありません。サブプライムローンの不良債権が増加したことで2008年9月にリーマン・ブラザーズが破綻に追い込まれ、連鎖的に多くの銀行や融資を受けていた会社が倒産したのです。

その影響は日本の相場を直撃し、2007年後半に1万5000~1万6000円台だった日経平均株価は、2008年10月にはバブル崩壊後の最安値(7162円90銭)を更新しました。

※本稿は、『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。