米国の富裕層の間では、自国以外の海外資産を組み入れるグローバル投資の動きが、以前にも増して加速しているという。日本と海外の投資・経済を知り尽くした金融マン待望の初著書『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』(ダイヤモンド社)では、富裕層がやっている国際分散投資を、一般の個人投資家に向けてわかりやすく解説! 投資バランスは「保守:積極:超積極=5:3:2」、1銘柄の投資額は資産全体の4%以内で、資産全体の2割は現金買付余力に――など、「これならできそう」「続けられそう」と思えるグローバル投資の秘訣を明かした1冊だ。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、グローバル投資の極意をわかりやすく伝授する。
おすすめ銘柄トップ10
グローバル投資におすすめしたい銘柄トップ10を紹介したいと思います(グローバル投資でおよそ半分を占める米国株については、すでに多くの情報がメディアにあふれており、本書の主旨からも外れますので割愛します)。
トップ10銘柄のセクターはさまざまですが、いずれもこれからの世界の経済と社会でますます重要になる「2大テーマ」(社会的インフラ・格差社会)に関わっているという共通点があります。
おすすめ銘柄⑥
電気自動車の電池に
欠かせないリチウムを供給
銘柄名 ソシエダード・キミカ・イ・ミネラ・デ・チリ(SQM)
特殊植物栄養素事業は有機肥料と栄養溶液、ヨウ素事業はヨウ素の抽出やヨウ素誘導体、リチウムはおもに充電式電池の生産に使用され、工業用化学品事業は硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、ホウ酸などの化学製品の生産をしている。カリウム事業は塩化カリウムと硫酸カリウムを生産。その他製品・サービス事業は、他事業のサポートをしている。
一般的な知名度は低いのですが、テレビ東京系の経済情報番組『Newsモーニングサテライト(モーサテ)』の視聴者レベルでいうなら、「またその話か」というくらいホットな知る人ぞ知る銘柄です。
注目銘柄に推す声がチラホラ聞こえ始めたのは、もう10年ほど前のことです。それがこの数年、大きな流れになってきました。
きっかけとなったのは、「脱炭素」を踏まえたバッテリー電気自動車の需要の高まりです。
リチウムイオン電池で
有力銘柄の地位を確立
バッテリー電気自動車のバッテリーは現在、リチウムイオン電池。そのリチウムを生産しているのが、ソシエダード・キミカ・イ・ミネラ・デ・チリです。
チリに点在する巨大な塩湖では、リチウムが豊富に採れるのです。
もともとは肥料をメインに
ビジネスを展開
ソシエダード・キミカ・イ・ミネラ・デ・チリは、もともと肥料をメインにビジネスをしていました。
ところが、内燃機関からモーター駆動へという自動車業界のパラダイムシフトにより、リチウムという素材が脚光を浴びるようになって、有力銘柄の地位を確立しました。
株価は下がり基調にありましたが、PERは6.81倍(2024年5月15日時点)と割安水準でもあり、これから伸びる余地はあると考えられます。
※本稿は、『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。