自律神経が乱れて不調に
気圧の変化は体のどこが感知する?

 気圧が下がり始めるのを感知するのは耳の奥にある内耳。その情報が脳に伝わり、自律神経が乱れることで不調が生じる。

「交感神経の働きが活発になり、血管が縮小して血行が悪くなり、痛みが生じるのです。痛みそのものも交感神経を刺激しますから、さらに血行が悪くなって痛みが増幅するという悪循環が起こるわけです」

 元々気象病の症状がない人でも、自律神経が乱れているときに、気圧の変化に何度もさらされることにより不調が出ることもある。

「花粉症などのアレルギーの反応でも、花粉にさらされる頻度が高いと過敏性が増していく傾向があります。気象病における気圧の変化も、その点で共通しているといえます」
 
 世界的な気候変動で、急激に気圧が下がる“爆弾低気圧”や“ゲリラ豪雨”が増えている。さらに台風も大型化。現在日本の上空を通過する低気圧は年間100個ほどあるが、この数も年々増えているのだ。異常気象が増加していくに伴い、気象病の患者数も増えることが予測できる。   

 気象病では気圧が5ヘクトパスカル下がると不調が出始める。通常の低気圧では1日で10ヘクトパスカル気圧が低下するが、爆弾低気圧では1日に24ヘクトパスカル以上、さらに台風では1日で20~30ヘクトパスカルも気圧が下がる。