大増税時代に備えよ
夫婦でポートフォリオを考えよう

 働き盛りの40代なら、自身の相続や老後よりも、子育て目線で新NISAを活かしたいと思う方も多いだろう。贈与の活用は相続対策のイメージが強いが、夫婦間であっても贈与はもちろん可能だ。

 暦年贈与なら年間110万円まで非課税であり、夫の資産を妻の新NISA運用の資金にすれば、暦年贈与の非課税枠と新NISAの非課税保有枠を有効活用しながら資産形成ができる。大増税時代を迎えている今だからこそ、贈与の仕組みを活かしながら新NISAの運用を検討し、個人単位ではなく夫婦でポートフォリオを考えよう。

 夫婦が別々に新NISAの口座を持てば、その分、非課税枠もダブルになる。もちろん、夫婦が別々に運用していくことは相続対策にもつながっている。片方の配偶者に資産が偏りにくくなるため、将来発生する相続の際には、配偶者控除内に遺産総額が納まる可能性が高くなる。配偶者控除は以下の金額で、どちらか多い金額までは相続時に配偶者の相続税が課税されない仕組みだ。

(1)1億6000万円
(2)配偶者の法定相続分(例・配偶者と子1人なら、配偶者の法定相続分は2分の1)

 また、夫婦がそれぞれ賢く運用しておけば、相続税発生時に納税の資金として活用することもできる。