カレーハウスCoCo壱番屋のロゴPhoto:JIJI

ココイチで知られるカレーハウス「CoCo壱番屋」を25店舗運営する企業の新社長に、22歳女性が就任することが話題となった。この人事には賛否両論あるようだ。「社長の役割とは何か」という視点から、この人事について読み解いてみたい。(やさしいビジネススクール学長 中川功一)

ココイチ運営企業の新社長に
バイト出身22歳が就任

“ココイチ”の愛称で知られるカレーハウスCoCo壱番屋のフランチャイズチェーンの新社長に、なんとアルバイト出身、22歳の女性が抜擢されることになった。発表されるやいなや大きな反響を呼んだので、ご存じの方も多いだろう。

 若者にチャンスを与えるすばらしい取り組みであるといった賛成の意見も多くある一方で、面倒ごとを使い捨ての若者に押し付けただけなのではというような反対意見も少なくないようだ。

 本件、どのように捉えるべきなのだろうか。「社長」をめぐる経営理論をひもときながら、解説していきたい。

 まずは、事実誤認をしている方も多いようなので、事実関係の確認から。

 今回、22歳の諸沢莉乃さんが社長に就任するのは、ココイチのフランチャイズ本部ではなく、関東を中心に25店舗ほどを運営するフランチャイジー、株式会社スカイスクレイパーである。

 高校1年生のときに同社店舗でアルバイトを始めた諸沢さんは、数年後には、ココイチフランチャイズ全店舗でもわずか15人しかいない接客のスペシャリスト認定を得るまでに成長した。

 仕事に向き合う姿勢とオペレーションの理解力、そして成長性が評価され、20歳のときには次期社長を打診されていたという。その後、帝王学を施し、準備が整った今年5月、社長に就任することになった。

 このニュースに対しては、世間では賛否両論あるようだ。