賛成としては、以下のような意見だ。

・大抜擢で夢がある
・20代で社長になるなんてすごいな
・外食チェーンなどでは年齢関係なくできる人はできる
・若い人にどんどんチャンスを与えていかなければ

 一方、批判する意見は以下のようなものである。

・広告塔、ただのお飾り
・地方の外食チェーンでは、本当に人材がいないということ
・面倒ごとを若手に押し付けて逃げ切る?
・闇バイトみたいなもので裏がありそう

 私からすると、賛否どちらの意見もあまり的を射ていないように思える。「社長とはどのような存在であるのか」という視座が欠けているからだ。

社長の役割とは?
長年の経営学が導き出した答え

 社長とは何をする存在なのか。

 それはもちろん経営学の中心的なテーマであり、100年以上にわたる研究蓄積がある。

 チェスター・バーナード、ピーター・ドラッカー、ヘンリー・ミンツバーグといった有名経営学者たちが既に多くの研究を重ね、半世紀も前に、おおよその結論を見ていたりもする。

 まとめるならば、経営者の役割とされるのは以下である。

・全社的で、不可逆なトレードオフのある問題に対する意思決定をする役割
・組織を率いるリーダーとしての役割
・対外的な代表者、組織の顔・象徴としての役割
・発生する諸問題へのトラブルシュータ―、調整役

 どうだろうか。

 諸沢さんがこれまでの経験から、これら4つの問題についてどれくらい対応できるのか。

 もちろんできるかもしれないが、かなり難しいということは、想像がつくのではないだろうか。