富士フイルムが米国の「対中国政策」で漁夫の利、バイオ医薬品開発・製造受託の追加投資で描く新シナリオPhoto:PIXTA
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。

 岸田文雄首相の米国訪問に合わせてのニュースとなった。富士フイルムは4月12日、同社子会社が米ノースカロライナ州に建設中のバイオ医薬品の開発・製造受託(CDMO)の新拠点を拡充するため、12億ドル(1800億円)の追加投資を行うと発表した。原薬製造ラインとして2万リットルのタンク8基を追加導入し、31年までに新たに680人の雇用を創出するという。発表は岸田首相が同州を訪れたタイミングでなされ、日本の医薬品産業を通した経済協力のアピールの役割を果たした。医薬品は半導体とともに経済安全保障の要となる物資で、富士フイルムは米国の対中国政策の中で漁夫の利を狙おうとしている。