日本株を支える3つの背景
投資家の行動は変わった
日経平均株価が5月20日に1カ月ぶりとなる3万9000円台を記録するなど、日本株は堅調を維持している。日本株堅調の背景には、以下3点があげられる。
一点目は、長期間の円安や中国経済のスローダウンによる資金シフトなどマクロ環境の変化だ。海外投資家の高水準の買い越しがモメンタムを形成している。
二点目は、原油など資源価格上昇によるコストプッシュ型のインフレが進んでいることだ。インフレは現金資産の縮減を意味しており、現金から株式へのシフトを促す。
三点目は、個人金融資産を貯蓄から投資へシフトさせるという官の強い意志である。コーポレートガバナンス改革や東証からのPBR1倍割れ企業への要請は、海外投資家の期待醸成に寄与しており、NISA拡充は個人投資家の裾野を拡大につながっている。
こうした中、日本の投資家は行動様式を変えようとしている。以下では価指数の構成銘柄をそのまま保有することで市場並みの運用成績をめざすパッシブ運用と、個別銘柄を選定し指数以上のリターンを目指すアクティブ運用のそれぞれにおいて、投資家の行動様式が大きく変化している様子を紹介したい。