ChatGPTを使うと「質問する怖さ」を回避できる

尾原:うちの娘はバリ島の学校に行ったり、カナダの学校に行ったり、日本の学校に行ったりして転々としている分、いろんな階段を上っているから、階段のどこで止まっているかがわからなくなっていました。

 先生に聞いたら、「そんなこともできないの?」と思われるかもしれない。でもChatGPTを使うと、「質問する怖さ」から逃れられます。

坪田:おっしゃるとおりですね。

尾原:だから、娘はChatGPTを使って壁打ちしていました。

 すると、数学ができないんじゃなくて、実は「文章題の読み方がわからない」ところが課題だったとわかって。そこから階段を上ったら、急に点数がよくなって自信を取り戻したことがあります。

「壁の場所が違う」「教える側が偉い」というデフォルトの状況って、いろんなものを止めていますよね。

坪田:本当にそう思いますね。「数学ができない」と認識している子たちのほとんどは、計算が苦手なんですよ

尾原:そこもありますよね。

坪田:「それって計算が苦手なのであって、数学が苦手じゃなくない?」ということに気づいていない。だから、問題を大きく捉えがちなんですよね。本当は計算が苦手なだけなのに、「私ってダメ」になりがちなんですよ(笑)。

尾原:そうですよね。

坪田:「別に君がダメじゃなくない?」と。

 ざっくり捉えがちなところを、AIは「子別」に対応してくれる。そこが本当に大きいなと思いますね。

階段を上りたいと思うかどうか

伊藤:尾原さんのお子さんは、「AIでこうやって学べばいいんだ。これは怖くないから聞ける」という状態になったんですよね。

尾原:そうです。聞ける状態になったら、深掘れるんですよ。

伊藤:例えば、面接で不採用になって「俺はダメなんだ」とか、計算ができないだけなのに、「数学が全部ダメなんだ」というのは、実は単に個性であると。

「個性であって、他に必ずいいことがあるはずなんだ」と理解すると、ChatGPTに向かえる状態になる。「一人ひとり違うよね」と、気づけるかどうかですよね。かけがえのない人間だと気づけると、ChatGPTで永遠に聞き続けることができる。

坪田:本当にそうですね。

伊藤:「俺、数学ができないと思ってたけど、計算だけじゃないか」とか「関数を見たらめっちゃワクワクする」とかが起き得る。そう考えた時に、「自分は一人ひとりなんだ」というのが、今の時代、めちゃめちゃ重要なキーワードになってくるのかなと思いました。

「だから階段を上りたい。他の人は言っていないけど、私はこれに上りたい」と。そこに気づけるかどうかは、そもそも階段を上りたいと思うかどうかの分かれ道なのかなと思いますね。

坪田:おっしゃるとおりです。

伊藤:この本が出てから思いましたね。

尾原:人間、言語化するとわかるからね(笑)。

伊藤:階段を上っていくのはいいんだけど、そもそも上りたいと思わないとか、飽きちゃうとかってあるよな。それって、自分自身の可能性を信じられるかどうかがすごくデカいんだなと思いますね。

「数学が苦手な人」の大半が勘違いしている「本当に苦手なこと」【ビリギャル著者が語る】
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