両手を合わせる子ども写真はイメージです Photo:PIXTA

「あれしたい」「これ欲しい」など、要求の塊である子どもから次々出てくるリクエストを毎回真剣に検討しては、親は疲弊するばかり。そんなとき、お互い落ち着いて考えることができるボーナスタイムを生み出す手法があるのだ。本稿は、西村 琢『だから声かけ、話し合う 親と子の気持ちいい関係をつくる 「やってみた」と「話してみた」』(東洋館出版社)の一部を抜粋・編集したものです。

「あれ欲しい」「これしたい」
要求の多い子どもは見込みあり

 これが欲しい、あれが欲しいという話が子どもから出てきたときに、私はよく「1週間待機リスト」を提案しています。

「欲しいものがあったら、まず1週間待ってみよう。1週間後にまだ欲しければ、もう1週間待ってみよう。それでもまだ欲しければ、買うかどうかを真剣に考えよう」

 この手を頻繁に使うので「また出た~」というリアクションをされることも少なくありません。ですが、それで良いのです。

 あれがしたい。これが欲しい。大前提として私は、そういう要求の多い子どもは見込みありだと捉えています。子どもは欲望が薄く従順であるよりも、たとえ少々わがままであろうとも自分の感情に正直で、その気持ちを周囲に伝えられる人間であってほしいと思うからです。子どもの側も、すぐにYESとならないことを知っているからこそ、割と気軽に提案を投げてきます。それがまた、面白い。

 最近「1週間待機リスト」入りしたものの中に、卓上で遊べるサッカー盤があります。次男が友人の家で遊んで楽しかったということで、一度実物を拝借してきたのです。

 それが思いのほか楽しく親子で熱中。白熱しすぎて(借り物なのに)壊してしまいそうな気もしたので、では買おうかという流れでしたが、一旦そこでひと呼吸。よくよく考えると、この類のゲームは家族はもちろん、友人が家に遊びに来たときなど皆で一緒に楽しめるので、君が自分のお金(お年玉など)で買うのもいいし、パパが半額出して皆で遊べるようにするのもいいねと提案。そこでまた、ひと呼吸。今、この状態です。こんな形で、買うか買わないか意思決定を保留されているものが常時いくつかあり、ゆらゆらとアイデアを浮遊させつつ「まだ欲しいのか。本当に欲しいのか」を見極めたりしています。