「OK!今晩くわしく話を
聞かせてもらえるかな」

 子どもは要求の塊です。面と向かって言ってくることもあれば、チャットなどテキスト経由で要求してくることもある。そんなときは、とにかくしばらく間を置くのが効果的だと思います。「1週間待機リスト」は決定を先延ばしする話し合いの提案でしたが、「OK!今晩くわしく話を聞かせてもらえるかな」はそうした場を設けるまでの時間稼ぎのための声かけです。

 回答がYESでもNOでも即答しない。数時間とか1日とか、すこし時間を置いて話し合いの場を設ける。子どもは思い立てばすぐに提案してくる一方で、たいしたことない話は彼ら自身もすぐ忘れて自然消滅します。ですので、すべてに1つずつ反応する必要はありません。毎回真剣に検討していては、消耗するだけです。

 一拍置くことで話題の半分は消滅するので、それだけでもこちらはだいぶ楽になります。そういう意味で効率的。冒頭の“OK”は「なるほど」みたいな意味合いで、今こちらの考えはまだ整理する前の段階だけれど、希望はわかった。そんな意味合いを込めての“OK”です。

 一拍置くことで子どもの側でもすこし準備をするかもしれませんし(あまり期待できませんが)、それより何より、親側の考えを整理したり夫婦間で話し合いをしたりする余裕が生まれます。そのボーナスタイム中に多少なりとも思考を巡らせておけば、想定されるやり取りとか回答の仕方とかもシミュレーションすることが可能です。

 結果として、子どもの希望が叶わなかったとしても納得してもらえる確率は高まるでしょう。カッコいい受け応えができた暁には、それは子から親へのリスペクトにもつながるはずです。

興味の種を育てることに
つながるものは積極的に応援

 新たな要望については、「1週間待機リスト」を活用することが多い一方で、即断で、むしろ親のほうから積極的に叶えていくケースもあります。興味の種を育てることにつながるものは、どんどんやろうというふうに考えています。