近年、日本には不動産バブルが到来している。加えてマイナス金利の解除も決定し、「家を買おうと思っていたけど、今はタイミングじゃないのでは?」と不安に感じている人も多いのではないだろうか。
そんな住宅購入を不安に感じる人の悩みを解決するために住宅購入の思考法』が発刊された。本記事では、著者の江口亮介氏のインタビューをお届けする。

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賃貸と持ち家、結局どちらがいいの?

――「賃貸か持ち家か」は度々議論されるテーマです。結局どちらがいいのでしょうか。

江口亮介(以下、江口):その人にあったほうを選べばいいというのが結論にはなりますが、あえて答えを出すとすると「いい条件で住宅ローンが組める人」は前向きに購入を検討していいのではないかと私は考えています。

 その理由として、住宅ローンは借り手にとって非常にやさしい仕組みです。近年の低金利、充実した団体信用生命保険、住宅ローン控除など、お得な内容がかなり盛り込まれています。

 なかでも、金利面は大変魅力的です。変動金利は各銀行の競争によって0.2~0.3%台が当たり前になってきました。条件付きですが、金利0.1%台というのも出てきています。

 固定金利もマイナス金利解除によって一部引き上げが決まりましたが、それでも私たちの親世代が家を買ったときの金利からすればまだまだ低金利です。

――「いい条件で住宅ローンを組める人」の「いい条件」とはなにを指すのでしょうか。

江口:「低金利でローンが組める」と考えていいです。住宅ローンは借入をするときに、皆さんが本当にお金を返してくれる人なのか厳密に審査します。

 その審査によって、金利が上がったり、金利が下がったりするわけですが、変動金利の場合でいうと「金利0.5%以下」を提案された人は概ねいい条件と言えるでしょう。

――ありがとうございます。審査というのはこれまでにカード事故を起こしていないかなどでしょうか。

江口:そうですね。主に住宅ローンの審査は2つの視点で行われます。1つめは、おっしゃるように人物評価です。どんな会社に勤めていて、年収はどのくらいで、延滞歴はないのかなどです。

 勤務先などが大手の有名企業などですと条件がよくなりやすい傾向はありますが、会社が小さいからダメということでもありません。

 この人物評価では、安定した収入かどうかが見られるので、個人事業主や転職したての人などはどうしても不利になります。ですので、家を検討するならば、転職して3年経過したあとなどがいいでしょう。