【1分読み切り】人にアドバイスするとき、つねに意識したい「たった1つのこと」とは?
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※本稿は『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【精神科医が教える】アドバイスが下手な人に「決定的に欠けていること」ワースト1Photo: Adobe Stock

人にアドバイスするときに
つねに意識したい1つのこと

今日は、人にアドバイスするときのコツについてお話ししたいと思います。

アテクシは職業柄、患者さんにいろいろな相談を受け、アドバイスすることが多いです。

テレビやラジオ、雑誌などで「お悩み相談」に答えることも多いのですが、そのときにつねに意識していることがあります。

結局、どうすればいいの?
という疑問を残さない

それは、人にアドバイスするときには、「どうすればいいのか」という結論、つまり起承転結の「結」を必ず入れることです。

もし結論を入れられないと感じたら、そのアドバイスはまだ十分に練られていないと考えます。

なぜ結論が重要かというと、お悩み相談やアドバイスをする人のなかには、物事の分析自分の意見を述べるだけで自己満足してしまう人が多いからです。

アドバイスが下手な人の特徴とは?

その分析や意見がいくら正論めいていても、「じゃあ、どうすればいいの?」という結論が抜けていると、独りよがりな印象を与えてしまいます。

これは、アドバイスが下手な人の特徴ともいえるのです。いくら興味深い視点を提供できても、その先に「こうするといいですよ」という行動指南まで持っていかないと、相手の心に刺さりません。

なぜなら、具体的に何をすべきかわからずに困ってしまうからです。

「起承転」のポイントと
忘れてはいけない「結」

アドバイスの前半部分(起承転)は、必ずしも面白くなくていいです。むしろ、相手の共感を誘うような“あるある感”を出すことがポイントです。

そして最後に、「では、こうしましょうね」という提案をすることが、もっとも重要なのです。たいしたアドバイスができなくても、とりあえず最善と思われる提案をしっかり提示するのです。

「あなたはこうですね」「こうなんですね」と現状を分析するのもいいですが、そこで終わらせずに「では、こうしたらどうでしょう」という提案を必ず付け加えること。

相手の心に響くアドバイスの特徴

些細な提案でも構いません。たとえば「イライラしたら、気分転換に少し散歩しましょう」といったことでもいいのです。イライラの原因分析だけで終わらせず、具体的な行動指南を加えるだけで、相手の心に響くアドバイスになります。

このように、アドバイスの最後に必ず具体的な提案を入れることで、相手は「なるほど」と納得してくれます。前振りがあるので、突然の提案よりも受け入れやすくなるのです。

もし自分のアドバイスがうまく広がらないと感じたら、最後に「こうしましょう」という提案を必ず入れてみてください。きっと変化が見られるはずです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。