「給料は前職の2割カット」にすることで、中途社員が育ちます。
そう語るのは、これまで4300社以上の導入実績がある組織コンサルタントである株式会社識学の代表取締役社長・安藤広大氏だ。「会社員人生が変わった」「もう誰も言ってくれないことがここに書いてある」と話題の著書『リーダーの仮面』では、メンバーの模範として働きつつ、部下の育成や業務管理などで悩むリーダーたちに「判断軸」を授けている。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、注目のマネジメントスキルを解説する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「給料は前職の2割カット」にすることで中途社員が育つ驚きのワケPhoto: Adobe Stock

「給料を目的にしないでほしい」

 ここで大事なのが、成長の場を用意しておくことです。
 そして、スタート時は、「成長を信じて待つ」ことです。

 私の会社では、業績が伸びていることもあり、多数の採用応募がきます。
 おそらく、成長できる環境があると思ってもらえているのでしょう。

 そして、私たちが中途採用の人に対して提示する給料は、「前職の給料の2割以上減」です。
 それには、理由があります。

 もちろん、「最初から給料を目的に入ってこないでほしい」というのもあります。

 しかし、もっと大事なのは、「成長してほしい」という思いが強いからです

 だから、入社後に「じゃあ、どうやったら給料が伸びるか」という条件を提示します。

 結果を出してくれれば、1年で元の給料水準に戻せますし、1年半でもっと上の給料を得ることも可能です。
 お互いにとって限りなくフェアであり、かつ、私たちがメンバーの成長を信じていることの表れです。

 能力のある人を高い給料で採用するのではなく、場を提供して成長してもらう。これこそが、私たちの会社が提示できる最大のメリットだと思うのです。

「優秀な人だけ」を集めてもうまくいかない

 じつは、「人間には能力の差がほとんどない」のです。
 それを証明する事例があります。

 あるベンチャー企業は、他社の「超優秀」な人たちをたくさん集めて、多くの新規事業に乗り出しました。
 各社で実績を出しているのだから、彼らを集めて新しい事業を始めれば、すごいことができそうに見えます。

 しかし、結果はどうだったでしょう。

 すべての事業が失敗に終わりました
 なぜなら、彼らが考えていた「優秀さ」からは、「組織適応能力」の概念が抜け落ちていたからです。

 組織適応能力までを含めて「優秀さ」なのです

 組織適応能力と能力の重要性は、50対50の関係です。
 だから、どんなに元の能力が高くても、適応能力が低かったら、どの会社に入っても半分の力しか発揮できないのです。

 それに、能力のある人間に限って、「適応したくない」というようなことを言い出します。

 だからこそ、「ルール」が必要です。
 監督不在のスポーツチームが優勝することがないように、競争を勝ち抜いていくためには、必ずリーダーのポジションが必要になってくるのです

(本稿は、『リーダーの仮面』より一部を抜粋・編集したものです)

安藤広大(あんどう・こうだい)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社NTTドコモ、ジェイコムホールディングス株式会社(現:ライク株式会社)を経て、ジェイコム株式会社にて取締役営業副本部長を歴任。2013年、「識学」という考え方に出会い独立。識学講師として、数々の企業の業績アップに貢献。2015年、識学を1日でも早く社会に広めるために、株式会社識学を設立。人と会社を成長させるマネジメント方法として、口コミで広がる。2019年、創業からわずか3年11ヵ月でマザーズ上場を果たす。2024年7月現在、約4300社の導入実績がある。主な著書にシリーズ累計140万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(いずれもダイヤモンド社)がある。