スタートアップ転職が増加のウラで
「こんなはずでは…」と絶望する人も
現代のビジネス界では、大手企業や歴史ある企業を離れてスタートアップに転職する人が増加傾向にあります。
筆者が経営する人材会社クライス・アンド・カンパニーでも、スタートアップに人材を紹介した件数が「過去5年間で195%増」と驚異的な伸びを見せました。
少し前までは、スタートアップが出せる年収は大手企業に比べてかなり低く、給与水準の問題が転職のネックになっていました。仕事内容に興味がある人でも、給与が大きく下がるため、転職を決断できなかったのです。
しかし、現在はスタートアップの資金調達が昔と比べて容易になり、採用でオファーできる金額の水準が上がりました。新興企業が立ち上げたビジネスが軌道に乗り、早い段階で収益化に成功する事例も見られるようになりました。
結果、給与面の問題が改善され、「裁量の大きさ」「ビジネスモデルの先進性」「事業のスピード感」などを魅力に感じて転職する人が増えました。終身雇用が常識だった時代が過去のものとなり、転職そのものが当たり前になっていることも、スタートアップへの転職増加につながっているのでしょう。
ただし、スタートアップへの転職後、万人が新たな環境に適応できるとは限りません。「こんなはずじゃなかった」――。筆者のもとには、そんな悩みもよく聞こえてきます。
そうした企業の中では何が起きているのでしょうか。スタートアップに向いている人・向いていない人は何が違うのでしょうか。転職エージェントがプロの目線で解説します。