フランスのうなぎ料理といえば、ロワール地方の伝統料理「うなぎのマトロート」です。ロワール川で捕れたうなぎを名産の赤ワインで煮込んだ料理です。私もレシピを入手して作ってみました。ただ、生のうなぎではなく蒲焼を使ったので本場の味とは違ったかもしれませんが、ビーフシチューのうなぎ版という感じでおいしかったです。

 スペインでは「アングーラス・アル・アヒージョ」が有名だそうです。アヒージョなのでオリーブオイルとにんにくの煮込み料理ですが、うなぎはうなぎでもシラスウナギを使うそうです。日本なら、どれだけの値段になることやら。

 韓国にもうなぎ専門店があります。各テーブルに用意された炭火焼の鉄板でうなぎを焼き、コチジャンや醤油だれをつけてサンチュで巻いて食します。焼肉ならぬ焼うなぎが韓国流。ちなみにビールやソジュ(韓国焼酎)のおつまみにすることが多いそうです。

 中国料理には、蒸してから甘辛い醤油で煮込む「鍋焼河鰻」、うなぎの姿蒸し「清蒸河鰻」などがあります。一方で、名古屋のうなぎ店で隣の席になった中国人旅行客曰く、「中国の日本式うなぎ屋は毎日が丑の日状態」だそうです。あまりにもおいしかったので、本場のうな重を食べに来たとのこと。昨今、日本の蒲焼は海外でも人気なのです。

通が選ぶライブキッチンの
うなぎ屋の名店

 通などと畏れ多い言葉ですが「うなぎ屋さん選びのポイントは?」と、雑誌の取材などでよく聞かれます。そんな質問に私は決まって「ライブキッチンの店」と答えます。つまり、調理風景が見られるうなぎ屋です。

 現在は以前に比べてうなぎ屋の情報が得やすくなりました。店側はウェブサイトに店のこだわりやメニューなど載せていますし、客側も口コミサイトなどで店の評価を投稿しています。