同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。
その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。
稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。
その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。
その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。
本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。
今回は本書より一部を抜粋・編集しながら、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。

【一石二鳥】マクドナルドがやっている! 売上と顧客満足度が同時にアップするワンフレーズとは?Photo: Adobe Stock

【貧す人】と【稼ぐ人】の決定的な一語の違い

 今回紹介するのは、「アップサーブの法則」である。

【貧す人】もっと“買って”もらおう
【稼ぐ人】もっと“満足して”もらおう

 ほんのちょっとの工夫で、売上を上げるシンプルな方法──それがクロスセルだ。

 よく知られた例に、マクドナルドの「ご一緒にポテトはいかがですか?」がある。いわゆる「ついで買い」を誘う方法だ。

 どの会社にも、クロスセルは絶対に必要。クロスセルの結果次第で、事業が採算ベースに乗るかどうかの分岐点になることが多いからだ。

 例えば、あなたが化粧品を販売しているとしよう。
 顧客一人を集める広告コストが8000円かかる場合、利益を上げて広告コストを早めに回収する必要がある。

 化粧水が1本売れたときの利益を1000円とすると、8回買ってもらった後に、ようやく広告費を回収できることになる。

 言い換えると、少なくとも8か月間は完全に赤字となる(顧客の購入は月1回と仮定)。

「ご一緒に、いかがですか?」で変わる現実

 ここで「ご一緒に、いかがですか?」と美容液を販売したとしよう。

 美容液が1本売れたときの利益を2000円とすると、今度は3回目の購入時から採算が合う。

 さらに1本売れたときの利益が3000円のクリームを販売すると、次回購入時から利益が出るようになる。

 このように、投資回収ができるまでの時期がわかってくると、会社の成長を一気に加速できる。
 数か月後には確実な利益が入るので、広告を出せば出すほど顧客もお金も集まるのだ。

【稼ぐ人】だけが重視していること

【貧す人】は、「もっと買ってもらおう」という気持ちが出すぎて、顧客から疎まれる。

【稼ぐ人】は、「もっと売る」ことではなく、もっと顧客に満足してもらうことを重視する。

 これが「アップサーブ」という考え方。
 サーブとは「奉仕」すること。
 だから、「アップサーブ」とは、顧客にさらなる奉仕をしようということだ。

 このように、考え方を変えるだけで、顧客にふさわしい、お勧め商品を提案できるようになる。

 マニュアルに沿ったセールストークは一時的には売上に寄与するものの、購入後に後悔した顧客は離れていく。

 一方、顧客のことをあれこれ心配し、顧客の幸せを自分ごととして捉えられると、顧客との間で話題にのぼる商品も多くなり、自然と購買単価は上がっていく。

 これからは、「サーブ」を徹底する会社が顧客から選ばれるようになるのだ。

(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の一部を抜粋・編集したものです)