同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。
その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。
稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。
その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。
その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。
本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。
今回は本書より一部を抜粋・編集しながら、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。
【貧す人】と【稼ぐ人】の決定的な一語の違い
今回紹介するのは、「無理なく高値で売れるウォンツの法則」である。
【貧す人】顧客のニーズに訴えよう
【稼ぐ人】顧客のウォンツに訴えよう
よく「顧客ニーズに応えよう」「顧客ニーズを探ろう」といわれるが、コピーライティングには、ニーズとは別に「ウォンツ」という概念がある。
ニーズは必要性、ウォンツは欲求だ。一般的にニーズに訴える商品は価格が安くなり、ウォンツに訴える商品は価格が高くなる。
ニーズとウォンツの違いが最もわかりやすいのは腕時計だ。時間を知るというニーズを満たすだけの腕時計なら、1000円前後で手に入る。
時間を知るだけなら、機械式の高級腕時計よりもリーズナブルなソーラー発電の電波時計のほうが時刻が正確で、機能もすぐれているものが多い。
しかし実際には、便利なはずの電波時計より、手間のかかる機械式時計のほうがはるかに高価だ。これは高級腕時計だけでなく、高級万年筆なども同じ。
これらは基本的な機能自体に大差はないし、価格差ほどのコスト差があるとは思えない。
高級品はカッコよく見られたい(見せたい)とか、所有することでステータスを感じたいなどという欲求を喚起する。
ニーズではなくウォンツに訴えることで、ステージの違う商品・サービスとして位置付けられ、高額でも売れるのだ。
クリネックス「極上のおもてなし」が訴求したウォンツ
他にも、ニーズではなくウォンツに訴える事例を紹介しよう。
トイレットペーパーは生活必需品で、典型的なニーズ商品。商品自体で差別化するのは難しい。そこで、クリネックスは「極上のおもてなし」という高級トイレットペーパーを開発した。
この商品は、アロマの香りと柄によって、ニーズの枠を超え、高級感を演出する欲求(ウォンツ)に訴えている。
商品・サービス自体が変えられない場合には、打ち出すコンセプトを変えることで、ウォンツに訴えられる。
例えば、商品開発の苦労話で、対象顧客と同じ悩みを持っていたが、それを自ら克服したというストーリーを語ることで、自分も同じ苦労から解放されたいという欲求に訴えられる。
【貧す人】は、扱う商品・サービスが、顧客の必要性を満たすかだけを考えている。
【稼ぐ人】は、扱う商品・サービスが、顧客のどんな欲求に訴えられるかを常に考えている。
(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の一部を抜粋・編集したものです)