結局のところ、親がちゃんと先生をチェックして力量を見抜くしかないのです。まずは「体験授業」をしてもらう必要があるのですが、これがなかなかのくせ者。「体験授業あり」と謳っていても、やってくるのは地域の営業担当者や責任者で、実際に担当してくれる先生とは別である場合が多いのです。

 家庭教師派遣会社はアルバイトや契約の先生との雇用契約はしっかり結び、トラブルが起きないよう気を遣いますが、肝心の「家庭教師としての力量」を伸ばし、レベルを上げようと教育を行っているところは非常に少ないのです。

 身だしなみや、「親にこう言われたらこう答えろ」といったマニュアルはあっても、教え方は本人まかせというのがほとんどです。

 実は塾にも同じことが言えるのですが、「先生の採用」というのはかなり大雑把です。学歴がしっかりしていて学力テストがほどほどにできて、人間的にまあまあ常識的であればすぐに採用されてしまう。

 コミュニケーション能力や、臨機応変な教え方のスキルなどはまったくチェックしません。しかも、採用後にまず研修期間を設けて、それが終わってから授業を担当させるというのは非常にまれです。

 そんなところで時間と労力をかけていては経営が成り立たないからでしょう。「採用後、ただちに現場へ投入」という家庭教師派遣会社も少なくないのです。

 それでも大手の進学塾であれば、少なくとも中学入試の難問がぜんぜん解けないような人では勤まりませんから、ある程度の力量はあると考えていいのですが、家庭教師になるとその保証もありません。

“当たり家庭教師”を選ぶ13のチェックポイント

 ここで、家庭教師を決める前、無料体験授業の時にチェックすべきポイントを列挙しておきましょう。

・身だしなみはきちんとしているか?
(清潔感があり、常識的な服装であればOK)

・きちんと挨拶ができるか?
(講師自身がきちんと挨拶をし、指導の前後に子どもにも「よろしくお願いします」「ありがとうございました」と言うよう促している)

・正しい位置に座って指導しているか?
(家庭教師が説明することが多いような場合は右側、子どもの行動を注視する必要が多いような場合は左側に座るのが「正解」)

・子どもとうまく接することができているか?
(指導中にいいタイミングで声をかけたり質問したり、できたときにはほめて、子どものやる気を盛り上げようとしている)

・子どもを楽しませることができているか?
(講師が楽しませようという努力、工夫をしている)