血液型は不変だが性格は
時と場合によって変わる

 血液型診断と性格診断には1つ、共通の特徴があります。それはどちらのラベルも不変であるということ。これらの診断では、血液型や性格は基本的に生涯変わらないものとされています。しかし、骨髄移植などの特殊なケースを除けば一生変わらない血液型と違って、性格は本当に不変なのでしょうか。

 先ほど私は、自らに非社交的であるとラベルを付け、そのラベルをアピールすることで宴席への招待を避けたところ、さらにその傾向が強くなったように思うと述べました。一方、若いときはいつも自分を優先させる傾向が強かった私ですが、マネジャーになり、人事から提供されるトレーニングを受講するなどしているうちに、自分よりも部下や同僚を支援することを志向するように変わりました。つまり、利己的・自己中心的だった性質が、利他的・協調的に変わってきたのです。

 これが心理学でいう「性格」の変化に相当するかはわかりません。ただ、誰しも過去の自分を振り返ってみて「若い時は○○だったのに、今はそうでもないな」などと思い返すことがあるのではないでしょうか。

 また、非社交的というアピールを私がするときも、相手によっては見せ方を変えています。これもマネジャーになってからのことですが、引っ込み思案のままでは自分はともかく、自分が率いるチームまで損をしてしまうと考えるようになり、チームを売り込まなければいけないときには、イベント後の懇親会などにも参加するようにしています。ともすれば壁の花というより壁のシミになりそうな自分を奮い立たせ、知らない人が話している輪の中に入っていくようにしているのです。

 その場で初めて私を見た人にとっては、私のラベル、印象は普段とは違うものになるでしょう。こういう懇親会で話した人たちからは、私が非社交的だというラベルを付けられることはないはずです。