「何で生まれてきた!」「お前に食べさせるものはない!」父母の暴力に苦しんだ私がTOEIC905点を取って自由になるまで写真はイメージです Photo:PIXTA

今回は、山添博之さん(本名・40歳)の実体験をお届けします。(ノンフィクションライター・グラフィックデザイナー 旦木瑞穂)

「否定的かつ攻撃的」な父と長兄
小学5年生からいじめが始まった

 現在40歳の山添博之さん(本名)は、公務員の父親と、園芸用品店を経営する母親のもとに三男として誕生した。父親と、12歳離れた長兄は、山添さんが物心ついた頃にはすでに「否定的かつ攻撃的」だった。

 山添さんが幼稚園の頃は、長兄と遊びたくて部屋に行くと激怒して追い出され、小学校3年生の頃には、友だちとファミコンで遊んでいただけで突然「うるさい!」と言って乗り込んできて、ファミコンを窓ガラスに投げつけられた。

 一方、6歳離れた次兄とは仲が良く、一緒にゲームをしたり野山で遊んだりした。父親と長兄は苦手だったが、家族仲は悪くはなく、山添さんは小学校5年生までは平穏に暮らしていた。

 山添さんが育った地域では、子どもたちの交流を目的に週に3〜4回、百人一首の練習会が開かれており、子どもたちは親から、半ば強制的にその練習会に参加させられていた。

 山添さんは小学校5年生のある日、同じ小学校の同級生の男子から、百人一首を読む役を強引に押し付けられたうえ、「早く読めや!」「さっさと段取りしろ!」と脅されたり小突かれたりするようになる。