知らないことが恥ずかしいという人は英語に限らず、何をしても上達しない。“自分がバカ”であることを知っている人は強く、どんどん能力を伸ばしていく。分からないことがあると、躊躇もなく人に聞くことができるからだ。自分に知識がないことを恥じるプライドがないから、利口な人の力を思う存分借りて、本人は次々に新しいことに着手できる。

 一方、中途半端に小利口な人間は、不得意なことまで全部自分で頑張ってやろうとする。しかし、もっと利口な人の仕事には到底勝てないから、大変な思いをするだけで、ほとんど成果は上がらないという状況を繰り返しているのだ。

 “自分はバカ”であることを知っている人はやはり強い。

POINT(2):小利口なミドルレベルよりも極端を目指せ。

“英語が苦手だから”で
将来を決めるのはナンセンス

「文系」「理系」を選ぶことによって、人生の舵を切ろうとしている人がいることが意味不明だ。

 法律家になりたいから文系、科学者になりたいから理系というのならまだ分かる。数学が苦手だから文系かな、みたいな単純な苦手意識で将来を決めようとしているバカが多すぎることに僕は呆れている。

 英語にも同じことが言える。

 英語が苦手だから、外国人と関わる可能性のある部署には異動したくない。海外支社への勤務なんてもってのほか……。

 日本ではまだまだ日本語だけで事業が成り立つ企業がシェアを占めている。でも、世界を見渡せば、ほとんどが英語だ。インバウンド需要が急増するにしたがって、外国人客が普通に買い物をしに来るため、小さな路面店のお婆さんだって英語を使って魚や野菜を売る時代なのだ。英語が使えないと仕事にならない。

 このような時代に、外国人と関わる仕事を避けて通ろうとする考え方がバカらしい。

 “今は苦手だから”という理由で将来を決めるのはナンセンスだ。

 そんなふうに選択肢を狭める前にやることがある。

 英語という言葉のことをもっと知ろう。英語は言葉だ。仕事で使う英語には決まり文句やテンプレートだってある。それだったら、案外、苦手に感じないかもしれないのだから。