企業が刑事裁判で有罪判決を受けるという汚点は、かつてとは様相が異なる。米大手会計事務所アーサー・アンダーセンは、破綻したエネルギー複合企業エンロンの会計監査に関する証拠を隠ぺいしたとして検察に起訴され、2002年に破綻した。アンダーセン崩壊後しばらくの間、検察は主要企業の起訴を控えていた。その過程で企業が立ちゆかなくなることを懸念したためだ。航空大手の米ボーイングは先月、小型機「737MAX」が2度の墜落事故を起こすまでの間に従業員2人が行った不正行為について、有罪を認めることで米司法省と合意した。これは時代がいかに変わったかを示している。今や大企業にとって有罪判決を受けることはさほど重大ではない。マイナスの影響を軽減し、悪評を乗り越えて生き残れると分かっているからだ。先月下旬、同社の有罪答弁合意書がテキサス州フォートワースの連邦地裁に提出された。