ヤマト1Q決算で営業赤字!通期予想を下方修正も、あえて「死守」した数値とは?Photo:123RF

宅配最大手ヤマト運輸を中核会社に持つヤマトホールディングスの業績が振るわない。企業向け物流と投函サービスの需要減により、通期の売上予想を下方修正した。利益面では時給単価や協力企業への委託費用が上がりコストがかさんでいる。一方、苦しい中でも、あえて通期予想を“死守”した数値目標とは?(カーゴニュース編集部)

*本記事はカーゴニュースからの転載です。

ヤマトHDが通期業績を下方修正
売上予想は発表値から2.2%減へ

 ヤマトホールディングス(HD)が8月1日に発表した2025年3月期第1四半期の連結業績は、売上高4056億3200万円(前年同期比3.5%減)、営業損益142億400万円の赤字(前期は15億9800万円の黒字)、経常損益148億7500万円の赤字(前期は18億3700万円の黒字)、親会社株主に帰属する当期純損益101億1200万円の赤字(前期は1億3300万円の赤字)だった。これに伴い、通期の売上予想を、今年5月発表値から2.2%減となる1兆7800億円へ下方修正した。

 売上面では越境ECやBtoBのECを中心に宅配便の取扱数量が増加したものの、コントラクト・ロジスティクスの需要減や投函サービスの取扱数量減で目標を下回った。

 利益面では、外部環境の変化による時給単価の上昇やパートナー企業に対する委託単価の上昇が継続するなかで、業務量に連動したオペレーティングコストの適正化に向けた取組みに注力したが、新たなビジネスモデルの事業化に向けた費用が増加して赤字となった。一方で、コストコントロールの強化に注力したことで営業利益と四半期純利益は想定の水準で着地し、通期予想を維持した。