「特別保護地区」として開発が厳しく規制されているところもあるが、その広大なエリア内には人も住んでいるし、民間が一緒になって国立公園を盛り上げようという開発エリアがかなりある。それがよくわかるのが、国立公園内の延べ宿泊者数(日本人及び外国人)である。環境省の推計によれば、2023年度は3271万人だ。

 では、これだけすさまじい数の観光客が一体どこに泊まったのか。大自然の中で野宿という観光客もいるが、そのほとんどはホテルや旅館である。

岸田首相が売国奴なら
有名観光地はほとんど売国奴

 環境省の「宿舎事業を中心とした国立公園利用拠点の面的魅力向上に関する現状と課題」(23年1月30日)によれば、国立公園内の宿泊事業者は約1400だという。

 つまり、「自然豊かな国立公園に高級リゾートホテルを開発するなんて許せない!」と怒っている方たちには大変申し上げづらいのだが、すでに日本の国立公園には膨大な数の宿泊施設が溢れかえっており、国内外の観光客もバンバン利用をしている。関東の方ならば、日光や箱根などを旅行するするだろうが、あの辺りもすべて国立公園であり当然、高級ホテルも誘致されている。今回のことで岸田首相が売国奴ならば、日本国内の有名観光地はほとんど売国奴になってしまうのだ。

 そう聞くと、「既に宿泊施設がそんなにあるのだから、わざわざ高級ホテルなど誘致しなくていいじゃないか!」という意見が飛んできそうだが、実はそれがもうひとつの大きな誤解だ。