元国税局職員であり、お笑い芸人のさんきゅう倉田さん。実は、38歳のとき、3度目の挑戦が実を結び、東京大学に入学した。30代半ばに差し掛かってからの「東大受験」。合格に向けて、どんな勉強をしたのか。東大に入って感じたこととは。“大人の合格体験記”をお届けする。(お笑い芸人・FP さんきゅう倉田)
38歳で東大合格!
元国税芸人が東大に入るまで
昨今学び直しの重要性が認識され、必要な能力・スキルを身につけるアップスキリングやリスキリングという言葉をよく耳にするようになりました。
仕事関連の成人学習参加率が高い国ほど、時間当たりの労働生産性が高い傾向にあると言われていますが、企業は学ぶ機会を与えず、個人も学ばない傾向が強いのが日本の現状です。
学びは子どもだけのものではありません。社会人になってから学んだっていい。仕事と関係ない分野を学び、それがすぐに役立たなくても構わない。学ぶことそれ自体が娯楽として享受され得るし、間接的にであれ、いつか活用される日がきます。
さて、ぼく自身は2020年3月から35歳で東京大学進学を志し、ちょうど3年後の23年3月に文科二類に合格しました。大学での学びは予想を圧倒的に上回るすばらしさではあるけれど、2次試験のために学んだことも、ぼくにとっては社会的な常識を身につけるという点で意義のある内容でした。
附属校から大学進学していたぼくにとっては、初めての大学受験です。受験勉強のほぼ全てが新鮮で、自分の築いていた知識の層が補われ、強化され、形を変えていくのを日々感じていました。
そもそも、ぼくはなぜ東大を受験しようと思ったのか。