レンタカー店で保険の説明を「聞き流す人」の末路、事故に追い打ちかける「思わぬ支出」とは?Photo:PIXTA

レンタカーを利用する際は、店頭でスタッフから「保険の説明」を受けるのが一般的です。この際、「よく分からないな」「早くクルマに乗りたいな」と聞き流すと、万が一事故を起こした際に「思わぬ支出」が生じる恐れがあります。その内容と予防策を、レンタカーやカーシェアリングの基礎知識と合わせて解説します。(モータージャーナリスト 諸星陽一)

レンタカーを借りて「やらかした」ときに
生じる「思わぬ支出」とは?

 クルマを所有しないカーライフが一般化しつつあります。そのための手法は大きく二つに分類できます。一つは「レンタカー&カーシェアリング」、もう一つは「リース&サブスクリプション」です。

 ただ、これらの存在を何となく理解していても、サービスごとの違いやメリット・デメリットはあまり分からないという人は多いかもしれません。そこで本稿では、第一弾として「レンタカー&カーシェアリング」の基礎知識と注意点について説明していきます。

 レンタカーは古くからあるシステムで、レンタカー会社などが所有するクルマを有償で借り受けるものです。公式サイトや電話などで事前に予約してからクルマを借りるのが一般的な流れですが、貸し出すクルマに余裕があれば当日でもレンタルできます。

 レンタカー会社によっても異なりますが、クルマを借りられる時間は「最短で3時間」といった場合が多いです。長ければ数日、もしくは1週間~1カ月と言った借り方も可能です。

 クルマを借りるときは営業所に出向いて、内外装のキズなどを確認してから借り受けます。この作業はとても大切です。返却時にクルマにキズがついている時などは、修理費用が請求されますので、借り出し時点でのキズの確認は決して怠らず入念に行いましょう。

レンタカー店で保険の説明を「聞き流す人」の末路、事故に追い打ちかける「思わぬ支出」とは?クルマにキズがないか入念にチェックしよう(イメージ画像) Photo:PIXTA

 また、クルマの保険には「自賠責保険」「任意保険」などがあります。前者は交通事故で他人に怪我を負わせたり、死亡させたりした場合に、相手方への損害賠償を補償するものです。後者は事故を起こした際の「自分の負傷」に対する治療費や、自車の修理費用などが補償されます。

 レンタカーを借りるときは、基本的にこれら2種類の保険に加入した状態になっており、保険料はレンタカー代に含まれます。しかし実は、「自賠責保険」「任意保険」だけではカバーできない事項もあり、トラブル発生時に思わぬ支出を求められる場合もあります。