志望大学に受かるために
夏のうちに絶対やっておくべきこと

 そもそもの前提についてお話しておくと、夏期講習を受ける上で何よりも大事なのは、「その時点での自身の到達度」を正確に把握しておくことです。

 一般的な受験勉強のプロセスとしては、春〜夏にかけては「基礎固め」が特に大切です(特に高校3年生の場合)。そこで培った知識を生かして、秋以降に「問題演習」を集中的に行うことで、志望校の入試問題を効率よく解くための手法やスピード感を学んでいくのです。

 ただし、普段から高校や予備校で授業を受け、先生の話を聞いたり宿題をしたりしているだけでは、基礎はなかなか固まりません。一度は理解しても、時間とともに忘れている知識もあるでしょう。そのため、授業内容を何度も復習することで、初めて基礎が身につき、成績が上がるようになると私は考えます。

 ですので、受験生が夏のうちにやるべきことは、各科目における「自身の到達度」を把握して、足りない部分の基礎知識を復習・定着させることです。これをおろそかにしたまま、秋以降に問題演習に移ろうとした挙句、「やっぱり基礎ができていなかった」と後戻りすると手痛いタイムロスになります。

 だからこそ、これまでの授業内容を復習しきれていないのであれば、夏期講習で「難関国公立対策」「難関私立大学対策」などを受けるよりも、秋以降に備えて総復習を行っておいた方が良いでしょう。

 塾・予備校関係者は、「こちらの受講もおすすめです」などと、夏期講習の積極的な受講を勧めてくるかもしれません。ですが、これらを全て間に受けず、基礎が身についていないと自己判断した科目に関しては「受講の必要はない」と判断しましょう。

 夏期講習の授業を取りすぎるとオーバーワークになり、予習・復習が追いつかなくなる危険性もあります。せっかく受講したものの、「ただ座っているだけ」「勉強した気になっただけ」に陥る懸念もあるので、気を付けるべきだと言えます。