9浪はまいが夏期講習で
古文の偏差値を爆増させた理由

 とはいえ、数多くある夏期講習の授業の中から、自分の適性に合ったものを取捨選択できれば大きな学力向上につながります。

 私自身も、8浪目に受講した夏期講習で、大きく成績を上げてくれた授業があります。それは「難関大古文対策」の講義でした。

 私の高校は商業科だったこともあり、現役時は3年間にわたって、学校で一度も古文を勉強しないまま卒業しました。

 そのため古文に関しては、浪人生活の開始とともにゼロから勉強をスタートさせました。何から勉強すればいいか分からず、センター試験(当時、以下同)の古文の過去問では、毎回あてずっぽうでの回答で10~20点ばかり。国語の成績を伸ばす上で、大きく足を引っ張っていたのをよく覚えています。

 当時の私の勉強スタイルは、ただひたすら、闇雲に目の前の課題をこなす「質よりも量」の形式でした。自分の能力の分析などしておらず、「何が分からないかも分からない」状態でしたので、成績は思うように上がりませんでした。

 そんなあるとき、古文の勉強法を改めようと、とにかく周囲に勉強法を聞き、多くの人が最重要事項であると答えた古文単語と助動詞を詰め込みました。

 その上で、前述した「難関大古文対策」に臨むと、古文の偏差値が急上昇。センター試験の過去問でも安定して35/50点以上を取れるようになりました。それはこの授業が、演習・解説のサイクルを何度も何度も繰り返す仕組みだったからです。

「難関大古文対策」は、講師が私たちに分厚いテキストを配布し、受講生に問題を解かせた上で、その内容を解説するというオーソドックスなものでした。ただ、その量が半端じゃなかったのです。

 講義内で取り扱えなかったものを含め、テキストには「関関同立」をはじめとする関西の難関大学の過去問が20年分にわたって収録されており、幅広い出題傾向に触れることができました。私は古文の実力を高めるために、毎日この教材を解き続け、授業で解説を聞きました。授業が終わってからは、自分の答えと先生の解説を照らし合わせ、何が悪いかを徹底して洗い出したものです。