カーリースの契約期間に
「7年」が多い理由

 本題に入る前に、基礎知識をもう少しお伝えしておきます。カーリースは事業用として長く利用されてきたシステムで、企業や個人事業主のユーザーが多く見受けられます。そこから発展して、今は個人向けのサービスもじわじわと広がってきました。

 カーリースの契約期間は「7年」が一般的です。車検が3回目を迎え、経年劣化による部品の交換が多発する前に契約終了する流れです。カーリースの場合、車検費用を負担するのが利用者であるため、メンテナンスの出費が増えがちな7年目が一区切りとなっているのです。

 ただ、メンテナンス費用が月額料金に含まれている契約もあります。利用者によっては、毎月の料金を抑えて「11年契約」を結んだり、早めに新型車に借り換えられるように「5年契約」を結んだりする例もあり、契約のパターンはさまざまです。契約満了後に「クルマがもらえる」ケースもあります。

 一例を挙げると、「オリックス・カーリース」でトヨタ自動車の「カローラ」を借りる場合は、7年契約で月額4万3780円となっています。その上、契約満了後はカローラが手に入る流れになっています。この金額を高いと感じるか否かは人それぞれでしょう。

 サブスクリプションは、このカーリースから派生した新しい形態です。前述のようにリースでは長期契約が多いのですが、サブスクリプションには「1年契約」や「3年契約」が可能なサービスもあります。契約期間を少し短くして、料金を抑えているのが特徴です。

 一例を挙げると、トヨタが展開するサブスクリプション「KINTO」で「ヤリス」を借りる場合、3年契約で月額2万570円~となっています(ボーナス払いを併用する場合)。

 こうした月額料金の中に、各種税金やメンテナンス費用、保険料(自賠責保険・任意保険)などが含まれている場合が多いのもサブスクリプションの魅力です(※)。

※自賠責保険:正式名称は自動車賠償責任保険。強制保険とも言われる。交通事故で他人に怪我を負わせたり、死亡させたりした場合に、相手方への損害賠償を補償するもの。ただし死亡保証金が上限で3000万円と低い。

※任意保険:自賠責保険でカバーできない部分を補うもの。相手方の損害賠償で不足する分だけでなく、事故を起こした際の「自分の負傷」に対する治療費や、自車や相手車両、建物、ガードレールなどの修理費用などを補償するもので、項目ごとに選択が可能。

 一方でカーリースの場合は、この任意保険が月額料金に含まれていないケースが一般的です。任意保険は被保険者の年齢が若いと掛け金が高くなり、契約すると若者の費用負担が増してしまいます。サブスクリプションではこの障壁が低いため、若者でも利用しやすい利点があります。