リース・サブスクのユーザーを襲う
「思わぬ支出」とは?

 それでは、先ほど少し言及した「思わぬ支出」の中身について解説していきます。万が一、リースやサブスクリプションで借りているクルマで事故を起こし、修復不可能な「全損」状態に陥ってしまうと、その時点で契約が「即・打ち切り」となります。その上で、残りの契約期間に支払う予定だった金額と、クルマの残価(契約満了時点で残っているとされる価値)を一括で支払う必要性が生じます。

 つまり、乗るクルマがなくなった上に、莫大な出費が生じてしまうのです。この厳しい状況を避けるために必要なのが、任意保険の一種である車両保険です。上記の支出を自費でまかなう事態を防げるので、カーリースやサブスクリプションを利用する場合は、ケチらずに必ず車両保険に加入しましょう。

 ただし、地震や噴火、津波などでクルマが全損した場合は、通常の車両保険ではカバーされないので、「地震・噴火・津波車両全損時一時金特約」というオプションにも加入しておくことを強くおすすめします。

 余談ですが、車両保険は「故意や重大な過失、無免許運転、酒酔い運転、麻薬・シンナーなどを使用した運転、戦争や内乱、暴動などの異常な事態」が原因の場合は支払われません。

 話を戻すと、カーリースやサブスクリプションで借りたクルマは、返却時に「原状復帰」が求められます。この点も、先ほど述べた賃貸マンションと同じと考えてください。

 賃貸マンションを勝手にリフォームしてはいけないのと同じで、借りたクルマも、改造やカスタムは基本的にはNGとなります。ただもちろん、車体に傷をつけずに取り外しができるスマホホルダーや、ドライブレコーダーなどは装着しても問題ありません。

 例えば先述した「KINTO」では、次のようなカスタムや装備の変更は認めています(原文ママ、以下同)。

・タイヤ・ホイール交換
・電球をLED仕様に交換
・マフラー/サスペンション/ショックアブソーバーの交換
・車体に傷や穴をあけない改造、及び、原状回復可能な部品の改造など

 一方で、次のような改造は認めていません。

・ライトの灯火色変更
・タイヤ及びホイールの車体外へのはみ出し
・保安基準不適合なマフラーの切断・取り外しや内装張替え、取り外し等、その他原状復帰に支障を来す改造

 このため、「どうしても自分好みにカスタムしたクルマに乗りたい」という希望がある人は、カーリースやサブスクリプションを利用せずに購入という形をとるべきです。