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 私は、能力と意欲と志のある人であれば政治家になるべきだし、なれるべきだと思っています。お金持ちや2世や高級官僚出身者や知名度の高いタレントでなければ政治家になれないというのは、国のためになりません。

「民主主義にはコストがかかる、政治には金がかかる、以上」みたいな言い方にも、賛成できません。今回の政治改革の議論でも、その部分が決定的に抜けていたと思います。

「選挙の顔」を意識した自民党総裁選に石破茂が苦言「キレイごとを言うつもりはないけど…」連載:「派閥とカネと自民党総裁選」に登場する大物政治家たち Photo by Wataru Mukai

 政治にかかるお金、中でも選挙にかかるお金は、時代に合わせることで減らすことができるはずです。

 今でも、選挙区内に多くの事務所とスタッフを抱えている人ほど選挙に強くなりますよね。毎日毎日、御用聞きに歩けるわけだから。事務所を維持してスタッフを雇うには、金がかかります。事務所の数とスタッフの人数で選挙の勝敗が決まるという現実は、間違いなくあるんです。

 ですから、小選挙区の中に事務所は2つまでしか構えちゃいけませんとか、スタッフは10人までしか雇っちゃいけませんというルールを作れば、かかる金を減らしていくことはできるはずです。

ーー石破さん自身は、選挙に強いことで有名です。

 私は田中角栄先生から政治家になれと言われて、現在に至ります。1986(昭和61)年に初出馬するに当たって、目白のお屋敷へ挨拶に行った際の角栄先生の言葉を決して忘れません。