承認欲求、相手への腹いせ…
浮気の理由は人それぞれ

「共通の未来が見えない」タイプ

 共通の未来がある場合、その未来を失うリスクに人は消極的だ。未来が見えないパートナーシップの場合、浮気で失うものはそれほど多くはない。

「他の誰かに惹かれた」タイプ

 これは誰にでも突然その機会が訪れるかもしれない。旅行先で浮気に走ったり、職場で仕事を共にしている同僚と恋の火花が散ったり。しかし忘れてはならないのは、誘惑を感じるのと行動するのは別だということだ。パートナーと危機的状況にあれば、こうした外部からの誘惑に従って行動するリスクは高まる。酔っぱらっていたり、相手への執着があったりすれば、やはり浮気に踏み出すリスクに影響する。

「承認欲求」タイプ

 子供の頃、妹のマリアナと私はテントを作って遊ぶのが好きだった。家の中や森でテントを作って遊んだ。私の子供たちやその友達もそうだった。テントは自分たちだけの小さな居場所。浮気も人によっては同じ働きをする。自分だけの何かを与えてくれるのだ。自分だけの空間や刺激的な秘密を。そういうパターンもある。

「バランスをとる」タイプ

書影『不倫の心理学』(新潮社)『不倫の心理学』(新潮社)
アンジェラ・アオラ著、安達七佳訳

 パートナーに腹を立て、何か仕返しをしたい時もある。浮気をされた場合、“目には目を”という原理が働くかもしれない。これは浮気の最も一般的な原因の1つだ。

 だが、必ずしも浮気に対する復讐とも限らない。パートナーが働きすぎで、育児や家事など家庭内での役割分担で望む以上の責任を負わされていることが理由にもなる。精神的に寄り添ってくれていない、過度に支配的である、行きたかった場所での休暇に同意してくれなかった、といったことへの仕返しかもしれない。相手の仕事の都合で遠くに引越し、友人や地元から離れなければならなくなったからという例もある。

 ケンカの後、真正面から攻撃するのではなく、受動的攻撃行動(パッシブ・アグレッシブな態度)として隠れて浮気をする人もいる。