今回取材した「Fly's」は、アメリカの超有名な家電量販店で、テレビからセキュリティ用品まで何でも揃っている。 |
5月にアメリカへ出張してきた。ついでと言っては何だが、家電量販店を回って“現場”をチェックしてきた。
すでにご承知の方も多いと思うが、アメリカの量販店はとにかくデカイ。たとえば、秋葉原のヨドバシカメラは相当大きな家電量販店だが、“広さ感”はあまりない。土地が狭い日本では、店舗が縦に伸びているからだ。
ところが、アメリカには恐ろしいほど土地がある。
日本の家電量販店は、ターミナルの中心部に立地して多くの集客を狙っている。もちろん、地域によってはロードサイド店もあるが、品揃えはターミナルにある旗艦店にかなわない。
ところがアメリカでは、アップルストアなどの特殊な例を除くと、中心部に家電量販店はない。少なくとも、大型の家電量販店は皆無だ。「誰もが自家用車で家電を買いに出かけるのが前提」であり、当然ながら店も駐車場も徹底的に広いのである。
と言っても、体育館を想像すると間違いで、感覚的には「サッカー場より広い」と言っても大げさではない。特に通路の“ゆったりさ”は日本とは大違いだ。だが、陳列の仕方もまったく違う。
たとえば、ビデオカメラの売り場は、日本の大手量販店では7~8メートル程度の棚1本に全商品が並んでいる程度だ。アメリカの量販店では、同じ長さの棚が3~4本ある。だが、じっくり見てみると、日本より品揃えが多いわけではない。展示がスカスカなのだ。
日本では、ビデオカメラを並べる際には、ほとんどくっつかんばかりに「所狭し」と並べられている。しかし、アメリカの量販店では、1台ずつの感覚がかなり離れているのだ。
その理由は、棚の下を見るとよくわかる。なんと、そこに“在庫”があるのだ。ケースには鍵が掛けられているのだが、棚がメッシュになっていて中が見える。お客に「在庫の有無を自分で確認させる」というわけだ。
ビデオカメラばかりではない。テレビやPCなどの大物以外は、全ての家電の在庫が、その場に置かれている。つまり、この巨大な売り場は、倉庫も兼ねているというわけだ。