しかし、しかし、しかし。
もうグラフの中の数字に気付いてくれている通り、このファンドへの積立結果は91万6000円。これまで見たどれよりも「優秀」な積立結果となっていることに驚くよね。
もうわかってると思うけど、4000円までの下落局面において口数をたくさん仕込んで来たおかげだ。
その後の回復が1万円というスタート時点に戻るだけのものであっても、十分に大きく作用しているわけだね。
ドルコスト効果全開だ。もしここから基準価額が上昇していったら、前のグラフのファンドとの差はさらに拡がっていくことになる。
まさに僕の20年以上の積立はこういうことだった。
2回の激しい下落時に「下がっても嬉しいのが積立だ。上がるのは最後でいいのが積立だ」とばかりやめなかった。
そして僕の積立の「軌跡」は、結果的にはドルコスト平均法の理想形だったということだよね。
値動きリスクと成長期待が
大きいファンドは一考の価値あり
シャープレシオとは無関係の「積立向きの軌跡」という観点は、あまり言われないがとても大事なことだ。
1銘柄とかの個別株投資はまったく勧めないけど、「値動きのリスクは大きいが、長期の成長期待も大きい」といったタイプの投資信託は「積立向きの軌跡」を期待するファンドとして一考に値すると思う。
ロボティクスとかフィンテックといったイノベーションテーマは、長期のメガトレンドだと僕は思っているけど、そのテーマから選ばれるような企業の株式はまだ十分な利益が出ていなかったり、やっているビジネスが皆にちゃんと理解されていなかったりする。
既に出来上がっている、時価総額の大きな企業に投資するコンセプトではないんだから、そうなるよね。
するとどうしても短期目線の投資家がワッと買い上げてしまったり、サーッと引いてしまったりで、株価の動きが激しくなりがちなんだよね。
そして「残念ながらマーケットはひとつ」なもんだから、その値動きはそれらファンドの基準価額にも反映されて、激しい値動きのファンドということになる場合が多い。シャープレシオの低いファンドだね。