同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。
その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。
稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。
その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。
その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。
本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。
今回は本書より一部を抜粋・編集しながら、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。

【稼ぐ人】が密かに使っている市場トレンドが手に取るようにわかる方法Photo: Adobe Stock

【貧す人】と【稼ぐ人】の決定的な一語の違い

 今回紹介するのは、「成長カーブの法則」である。

【貧す人】現在に問題とすべきは、何?
【稼ぐ人】未来に準備すべきは、何?

 商品が売れなくなり始めると、多くの人は頭を抱えるが、実はそのときから、あなたの成功物語が始まる。

 なぜなら、市場に変化が訪れており、あなたがその変化をリードすれば、大きな業績を上げられるチャンスだから。

「成長カーブの法則」とは?

 そのために役立つのが「成長カーブの法則」だ。
 下図の成長カーブを知ると、数年後の市場変化が手に取るようにわかる。

【稼ぐ人】が密かに使っている市場トレンドが手に取るようにわかる方法

 成長カーブで覚えておいてほしいのは、「導入期」「成長期」、そして「成熟期」の期間は、ほぼ同じになるということだ。

 だから、成長期が始まるまでの期間がわかれば、いつ成長期が終わり、「成熟期」が始まるかを予想できる。

 例えば、コンビニの卑(い)れたてコーヒーは、ミニストップが2009年に始めたが、その後、2011年から2012年にかけ、ローソンなどが相次いで参入。

 このように、短期間で2~3社が同じ市場に参入するのは、成長期に入った合図だ。

 そこで計算してみると、導入期は2.5年間。成長期も同じ年数になるから、2014年半ばには「成長期」が終わりを迎える。

 実際2014年、コーヒーでは差別化できなくなると新たに登場したのが、チルド弁当(5℃程度の温度帯で管理)だ。
 チルド弁当の導入期は、各社が技術開発やマーケティング戦略を強化し始めた2010年頃から始まったと考えられる。

 多くの消費者に認知され、定番商品となったのが2018年頃だから、導入期は8年。その後、2022年には常温弁当を逆転したといわれるほど、コンビニの主力商品となった。

 これは成長の息の長い商品だが、これから戦国時代に入る。

「成長カーブの法則」の知識がない人の特徴

【貧す人】のように成長カーブの知識がないと、現在の問題に固執し、「昨年までは調子が良かったのに、今年は全然売れないよ」と文句を言うしかない。

【稼ぐ人】なら……、「来年には売れなくなるから、今のうちに準備しておこう」と事前に対策を打っている。

 未来への飛躍は、低成長のときに準備されるのだ。

(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の一部を抜粋・編集したものです)