「すぐ」は一体、何分後?

まずはそもそもですが、あなたはなぜ「すぐやります」と答えているのでしょうか。おそらく、「上司や取引先、お客さんの期待に早く答えたい」という思いから、このように言ってしまっているのではないでしょうか。

その心がけ、気持ち自体に問題があると言うわけではありません。

ここで重要なのは、「すぐ」と言う言葉の曖昧さです。

では質問です。あなたは上記の背景から、「すぐ」と答えましたが、具体的には「すぐ」とはどれくらいでしょうか。2分後でしょうか。5分後でしょうか。それとも30分後でしょうか。もしかすると2時間後でしょうか。

いずれの時間でも別に構わないのですが、ここで重要なのは「すぐ」の定義が人によって異なるということです。

「すぐ」の定義は人によって違う

実はこれは非常にリスキーです。

たとえばあなたが、上司からの要望に対して、自分の他の予定を優先して30分後(=あなたにとっての「すぐ」)に質問に答えたとしましょう。その際、上司が「5分後」(=上司にとっての「すぐ」)を期待してしまっていたらどうでしょうか。

おそらく、上司はあなたのことを「自分の言葉を守らないヤツだ」と、かえって、減点するでしょう。これは完全に期待値調整に失敗してしまっている典型的な例です。このような曖昧な言葉は、こういった際には使わないに越したことはありません。

「仕事をして評価が下がる!?」意味のわからない不幸を防ごう

せっかく仕事をしたのに、評価がなぜか下がるという意味のわからない不幸は避けるに越したことはないですよね。

仕事を受ける時は、「10分でやります」、「2時間でやります」などのように、数字を具体的に明示して、期待値のズレが発生するのを防ぐようにしましょう。

職場にはこういった「サイレント減点トラップ」が無数に存在しています。「余計な減点」を防ぐことで、仕事をしやすい環境をつくることを心がけていくことができれば、より安心安全の環境で仕事をすることができるようになっていきます。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の著者に取材して書き下ろした特別な原稿です)

著者:最短出世中・現役エリートメガバンクブロガー たこす
本部公認で副業としてブログを運営する、年収1400万円の現役メガバンク行員。10年以上メガバンクという極限の環境で生き残り、最短で出世街道を歩んでいる。新卒で配属された支店で猛烈なパワハラ上司に理不尽に詰められ続ける過酷な労働環境の中、理系的な分析手法によって独自の「高コスパな仕事術」を編み出す。証券会社に出向して花形の投資銀行業務に携わった後、銀行に戻って上場企業を中心とした大企業営業を経験。現在も本部勤務を続けている。