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【精神科医が教える】自分を嫌な気分にさせてしまう人の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

分かっているのについやってしまう

今日は「見なくていいものは見ない」というテーマについてお話ししたいと思います。

当たり前のことかもしれませんが、見てもしょうがないものや、見ても別にやることが変わらないのであれば、見て嫌な気分になると分かっているものは、見ないほうがいいです。

このシンプルな考え方が頭では理解できたとしても、実行するのはなかなか難しいものです。

気分が悪くなるだけなのに……

たとえば、自分のことが言われているかもしれない、書かれているかもしれないと思うと、つい覗きに行ってしまうことがあります。絶対ろくなことが書いていないと分かっていても、です。

そして案の定、嫌な気分になります。これでは、損をするだけです。嫌な気分になったからといって、自分の何かが変わるわけでもありません。

もちろん、自分が手がけた商品や自分のやっていることの評判を必要にかられてリサーチするのであれば、嫌だと思っても見に行くでしょう。

でも、そういう明確な目的がなければ、自分が嫌なことを見聞きしても、よいことはありません。

漠然とした好奇心に負けない練習

人間にはよくも悪くも好奇心があり、自分に関することは気になるものです。

この「気になる」というのが厄介で、その感情にそのまま動かされてつい見に行ってしまい、ただ嫌な気分になるだけのことがよくあります。

これに対処するには、漠然とした好奇心に負けない練習が必要です。見に行く必要がないと分かっていたら、見ない。そのことを習慣化するのです。

アンビバレント(相反的)な感情

たとえば、ホラー映画が嫌いな人でも、嫌いだと分かっていながらつい見てしまうことがあります。

見ると、やっぱり怖いのですが、実はその怖さが好きで、嫌いだけど好きみたいなアンビバレント(相反的)な感情による場合もあります。

そういう楽しみ方を自分自身で分かっているのならいいのですが、そうではないのに見てしまい怖くなって、その結果、不愉快になる人もいます。

単なる好奇心にあらがう

日々の報道でも同じことが言えます。災害の報道やネット上に出回っている暴力的な映像などを見聞きするのが苦手なのに、好奇心からつい見てしまうことがあります。

これは好奇心に負けてしまうからです。単なる好奇心にあらがう、何が何でも見ないという練習は、普段からしておいたほうがいいのです。

精神面から自分の身を守る

人間には危険なものを観察しに行ってしまうという本能的な習性があるので、これを意識してあらがわないと打ち勝てません。

普段から気になったものでも、自分にとって確実に悪影響を及ぼしそうなことは、なるべく見ないで我慢する。

日ごろからそう意識しておくことで、精神面から自分の身を守ることができるでしょう。