「仕事ができない人」には、ある残念な特徴がある。
そう語るのは、大手レコード会社に15年勤めてヒットメーカーとして名を馳せた後、多拠点ライフや海外移住、グローバルノマドやミニマル仕事術など、新しい働き方を牽引してきた、四角大輔氏。
本記事では、彼の最新刊で、多くの読者にワークシフトを促した人生戦略シリーズ本――『超ミニマル主義』『超ミニマル・ライフ』――の内容をもとに「仕事で成果を上げる、もっとも簡単な方法」について解説する。

なぜ「仕事ができない人」は見た目が老けてるのか?Photo: Adobe Stock

脳のパフォーマンスの差が「仕事ができる・できない」を決めている

――仕事ができる人とできない人、この差はどこから生まれているのでしょうか?

端的に言うと、脳のパフォーマンスの差が「仕事ができる・できない」を決めていますよね。

――「脳のパフォーマンス」ですか?

はい。もちろん「体のパフォーマンス」も大事ですが、「頭脳労働」が中心の現代のビジネスパーソンにとって、「脳のパフォーマンス」が仕事の成果を左右するという事実に、誰も反論できないはずです。

「見た目」が老けていることと、「仕事ができないこと」はどう関係があるのか?

――仕事ができない人に共通する特徴はあるのでしょうか?

ずばり、「見た目が実年齢より老けていること」ですね。

――「見た目」が老けていることと、「仕事ができないこと」はどう関係があるんでしょうか?

3つのことから説明できます。

1つ目は、「食事」です。

ビジネスパーソンにとって、食事とは「ノーリスク・ハイリターン」という、金融投資の世界ではありえない“超・優良”の投資案件です。

逆に、いいかげんな食事は「ハイリスク・ノーリターン」という最悪の投資となる。これは、仕事ができる人なら誰もが知っている絶対原則。

たとえば、忙しくて食事を抜くと、脳が低血糖状態となって脳機能が著しく低下します。さらに、この状態はメンタルの不安定を引き起こし、さまざまなミスジャッジや発言ミスを引き起こす。

また、パンやおにぎり、スナックで空腹を満たしたり、コンビニ食やファストフードを常食にしていると、脳の機能が低下し続けます。

なぜなら――脳が必要とするのは「糖質だけ」という通説は科学的に否定され――ビタミン・ミネラル・オメガ3といった各種栄養素が、脳にとって必須だとわかっているからです。逆の言い方をすれば、いい栄養バランスの食事は、脳のパフォーマンスを高く維持してくれるのです。

毎日「7時間以上」寝ていない人は“アウト”

――栄養バランスが必要なのは、体だけじゃなかったんですね。

2つ目は、「睡眠」です。毎日「7時間以上」寝ていない人は“アウト”だと思ってください。

「食事」「運動」といった、脳のパフォーマンスを左右する「生活習慣」の中で、「睡眠」がもっとも重要であることが、最新の脳科学で判明しました。

たとえば、「上質な食事」と「定期的な運動」が習慣化していても、一回の「寝不足」で、脳のパフォーマンスが急低下するからです。

さらに、次のような指標と、ある有名な睡眠研究があります。

日本人の平均睡眠は「世界最短レベル」で(*1)、働き盛りの半数が「6時間」未満(*2)――これは世界的に見ると異常な短さです。そして、「6時間」睡眠を2週間続けると、「2日間の徹夜明け」と同じくらいパフォーマンスが下がり、自覚できない認知障害を発症するというのです。

ちなみに、「肉体疲労の大半は、脳疲労が原因」であることはご存じでしょうか? つまり「脳の疲労は――脳だけでなく――体のパフォーマンスをも下げる」という、恐ろしいオマケが付くということ。上質でじゅうぶんな睡眠こそが、「脳疲労」を取り除く、効果的な方法であることは説明不要でしょう。