志望者増でも2倍は超えない中位校

 神奈川の中位女子校の2025年入試は志望者数が増加気味とはいえ、実倍率2倍に満たない入試がほとんどであり、どの学校も受けやすくて受かりやすい入試回が多数を占める。キリスト教主義の学校から見ていこう。

 藤沢市にあるカトリック校の聖園女学院は、2科・4科選択の1~3次入試で「いいとこ取り」を行う。複数回受験した場合、2次や3次では各科目の最高点を採用するというもので、第1志望の受験生には優しい設計である。24年に76人が受験して実倍率1.55倍だった[1日1次]は、少ないとはいえ志望者が倍増しており、25年は2倍に乗せるかもしれない。同じく71人で1.22倍だった[1日午後2次]は、志望者数が5割増で、25年は1倍台半ばまで上がりそうだ。同31人で1.24倍の[2日3次]も志望者数2倍半の大人気で、25年は2倍を超える可能性がある。

 受験者数は少ないが、24年実倍率1.22倍の[1日午後適性検査]、同1.56倍の[3日得意2科]、同1.71倍の[4日午後国算]は、いずれも志願者数が増加傾向にある。特に[4日午後国算]は志望者数5割増で3倍に乗せるかもしれない。その点、同1.71倍の[2日午後得意1科]は緩和しそうである。

 同じくカトリック校の横浜市神奈川区にある捜真女学校は、2科か4科を選び、当日面接を行っている。[4日C]を除けば、いずれも志望者数が増えており、25年人気上昇校の一つといえるだろう。24年実倍率1.21倍の[1日スカラシップA1]は2割増、同1.27倍の[1日午後スカラシップA2]は4割半増で、25年はそれぞれ1倍台半ば、1倍台後半も考えられる。

 24年受験者数が50人だった[2日スカラシップA3]は少ない志望者数が3倍増と大人気で、同実倍率1.92倍が25年に3倍に迫ることになりそうだ。[2日午後B]は1割増で1倍台半ばに、一方、[4日C]は1割弱減で1倍台前半に25年はなりそうだ。もう一つ、[3日対話学力]というユニークな入試もある。24年は5人が受験して1人合格という狭き門だったが、4科の基礎的な内容について、40分前後口頭試問が行われるというものだ。こちらは志望者数が倍増している。