個を尊重してほしいという意向は、「上司に期待することは何か」の回答にも反映されています。

 トップは「相手の意見や考え方に耳を傾けること」(50.3%)、次いで2番目が「一人ひとりに対して丁寧に指導すること」(45.9%)でした。一方、最下位は「部下に仕事を任せること」で5%。丁寧なサポートを求める考えが読み取れます。

高い成長意欲と貢献への意識
競争に勝つことは二の次

「働く上で大切にしたいことは何か」という質問では、「社会人としてのルール・マナーを身につけること」が45.2%で1位でした。2019 年の調査以降ずっと1位だった「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」は44.4%で2位となり、6年ぶりに1位が逆転する結果になりました。

 ずっと1位だったのは「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」。今回の調査では、6年ぶりに1位が逆転する結果になりました。コロナ禍を経て、出社での仕事や対面コミュニケーションへの回帰が起こったことで、マナーを求められる場面が増えているのかもしれません。

「仕事をする上で重視したいこと」を聞いた調査では、「成長:自分が成長できる」(32.2%)と「貢献:人や社会の役に立つ、感謝される」(23.1%)がトップ2を占め、調査開始以降、傾向は変わりません。変化として注目したいのは、「専門性」が19.7%で3位になっていることです。転職が当たり前になっている今、「専門性を身に着けて市場価値を上げたい」「キャリアアップに役立てたい」という意向が高まっていると考えられるでしょう。

 一方、去年に引き続き圧倒的に最下位だったのは「競争:競争に勝つ、No.1になる」ことで2.6%でした。競争で一番になることよりも、お互いに助け合い周りから感謝されるような関係性や、自分の中で成長実感があることをより重視しているといえるでしょう。