働く場所に関しては、「A:特定の地域で働く」か、「B:全国や世界など、幅広い地域で働く」かという項目で、「A」「どちらかといえばA」が25年卒は67.3%となり、24年卒からは微減したものの、経年で見ると増加傾向にあります。引き続き約7割が特定の地域で働くことを望んでいます。変化によるストレスが少なく、家族や友人との時間を作りやすいなどワークライフバランス面でメリットが多いと考えるのかもしれません。

「個の尊重」が重視され
「意見を言いあえる」職場を好む

 一方で、実際に働いている新入社員は、働きたい組織の特徴をどう考え、どんな働き方や仕事観を持っているのでしょう。

 リクルートマネジメントソリューションズが行った『新入社員意識調査2024』では、2024年1~4月に実施した新入社員導入研修の受講者計2,516人への調査結果をまとめています。同調査において働きたい職場の特徴を聞いたところ、「お互いに助けあう」が64.1%でダントツのトップになりました。次いで、2位は「遠慮をせずに意見を言いあえる」(45.1%)、3位は「お互いに個性を尊重する」(44.3%)でした。

 2010年の調査開始以降、「お互いに助けあう」は不動の1位をキープしていますが、「遠慮をせずに意見を言いあえる」は10年前と比較して9.8ポイント上がり、最高位での2位になりました。一人ひとりの個性を尊重されて教育を受けてきたことに加え、デジタルネイティブ世代として自分の意見を発信できる環境が当たり前の中で育ってきた新入社員世代。「自分の意見を自由に言える」ことが重視される傾向は、今後も続くと推察されます。

 一方で、ポイントが低いものが「皆が一つの目標を共有している」(25.9%)、「お互いに鍛えあう」(15.9%)、「ルール・決め事が明確」(12.7%)でした。個性重視の流れから、組織のカラーに自分が合わせるようにして“一つの目標を共有”するよりも、自分の意向を大事にしながら働きたいという思いが背景にあるのかもしれません。また、“鍛える”という厳しさを感じさせる環境よりも、お互いに協力し合う働き方を求めているとも考えられるでしょう。