就活時間はなぜ減った?就活費用はなぜ増えた?25年卒就活生の意外な傾向を紐解く25年卒の学生が足もとで行っている就活の実態を見てみよう(写真はイメージです) Photo:PIXTA

交通費や宿泊費、被服費など出費がかさむ就職活動。学生の就職活動に伴う費用負担はどう推移しているのだろう。就職・採用に関する調査、分析を行う、リクルート就職みらい研究所所長の栗田貴祥氏が、就活の最前線を語る連載の第21回。今回は、活動費の変化を中心に、25年卒の就職活動状況を見ていこう。

25年卒の就活で起きている変化
就活費用で増加しているものは?

 就職活動のオンライン化が一般的になった今。選考方法の変化とともに、就職活動にかかる費用はどう推移しているのでしょう。

 就職みらい研究所が実施している『2025年卒 就職活動TOPIC』の費用に関する調査によると、25年卒学生が就職活動に使用した金額は、平均して84,434円(2024年6月12日時点)。24年卒の82,905円(2023年6月12日時点)から1,529円増加した一方、コロナ禍前の20年卒(2019年7月1日時点)の128,890円と比べると、約3割減です。

 使用した金額の内訳ごとに見ると、「交通費」「宿泊費」「飲食費」などの項目で平均金額が増加しています。交通費は前年の21,312円から3,198円増加して24,510円、宿泊費は1,306円増えて19,850円、飲食費は1,199円増えて6,982円となっており、説明会や面接などでの対面回帰が影響していると考えられます。ほかに、「公務員試験対策費」「スキルアップ費用」でも、前年より平均金額が増加しています。

選考プロセス初期は「オンライン主流」
後期は「対面形式主流」のハイブリット型に

 就職活動における説明会・一次面接・最終面接の参加形態を見ると、25年卒では24年卒と比べ「オンラインのみ」で参加した割合は、どのプロセスでも減少しています。ちなみに24年卒の内定式の実施形態では、全体の86.7%が対面開催となっており、内定式は対面での開催が主流となっています。

 説明会への参加が「オンラインのみ」だった大学生は、24年卒では23.6%でしたが、25年卒では13.6%と大きく減少しました。「どちらかというとオンラインが多かった」と合わせると、24年卒は83.4%、25年卒は75.2%となっています。一次面接での「オンラインのみ」は24年卒では34.1%、25年卒では31.0%。最終面接では9.5%から8.6%へと微減しています。